2004 Fiscal Year Annual Research Report
evidence based chemotherapyの確立に関する研究
Project/Area Number |
13671651
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
岡田 弘 帝京大学, 医学部, 助教授 (00177057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上山 裕 帝京大学, 医学部, 助手 (40328042)
武藤 智 帝京大学, 医学部, 講師 (30345194)
堀江 重郎 帝京大学, 医学部, 教授 (40190243)
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Keywords | 薬剤感受性試験 / MIC / 細菌数定量測定 / 尿路感染症 |
Research Abstract |
前年度までに、フローサイトメトリーを用いた細菌数定量測定法を確立した。この方法を用いて、急性単純性膀胱炎患者尿検体から分離された菌株を対象として、迅速感受性試験の可能性を検討した。各種濃度の抗菌剤を加えた培養液中で、菌株を培養し細菌数の変化を経時的に測定することにより、薬剤感受性評価を行い、この結果を従来法のMIC測定による感受性試験結果と比較したところ、4時間培養で両者は良好な一致をみた。そこで、培養時間を4時間とする迅速薬剤感受性試験を複雑性尿路感染症患者尿から分離された菌を対象に行った。この結果も急性単純性膀胱炎起炎菌の場合と同様に、従来法のMIC測定による感受性試験結果と良好な相関をみとめた。しかし、急性単純性膀胱炎の原因菌である大腸菌のみでなく、複雑性尿路感染症の場合には腸球菌・セラチア属・緑膿菌の占める割合が増加するために、感受性調査対象の薬剤の組み合わせを変える必要があった。すなわち、予め臨床所見から単純性・複雑性尿路感染症を区別して、検査を開始することが重要であることが判明した。さらに、複雑性尿路感染症の大半を占める複数菌感染症に対する、本方法の有用性を検討した。2種類の複数菌感染症を対象に、薬剤感受性試験を行った結果、双方の菌種に有効な薬剤を判定することは可能であったが、1菌種にのみ有効な薬剤の判定を行うことはできなかった。今後、実施の臨床現場で本法による薬剤感受性試験結果を基にした、抗菌化学療法を行い、その臨床効果を検討することが今後の課題であると考えられた。
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