2001 Fiscal Year Annual Research Report
MXRを過剰発現する多剤耐性ヒト癌細胞における耐性機構の解析
Project/Area Number |
13671659
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
西山 賢龍 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (80264422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 博幸 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (60336344)
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Keywords | MXR / 多剤耐性 / GX-Xポンプ |
Research Abstract |
(1)MXRのアミノ酸配列をもとに15塩基の合成オリゴペプチドを作成,これを免疫原としてウサギ抗血清を調整した。MXRを発現しているdoxorubicin耐性ヒト乳癌細胞株(MCF7 AdVp3000)とその親細胞株(MCF7)についてイムノブロット法により解析したところ,MCF7 AdVp3000において約70kDaのバンドが認められ,MXRを認識していると考えられた。免疫染色ではMCF 7AdVp3000細胞において,主に細胞膜が染色された。MXRは細胞膜に存在して,何らかの輸送機構に関与している可能性が考えられた。今後,腎癌,移行上皮癌,前立腺癌などの臨床検体についてMXRの発現を解析し,病態,治療抵抗性との関連を検討していく。 (2)Flow cytometryによる解析で,MCF7 AdVp3000細胞においてATP依存性のrhodamine123の細胞外排出を認めた。Rhodamine123はP糖蛋白質の基質であるが,P糖蛋白質阻害剤であるPSC833はrhodamine123の排出を阻害しなかった。また,MRPの基質であるcalceinの排出は認められなかったことから,MXRはP糖蛋白質やMRPとは異なる輸送スペクトルを有すると考えられた。 (3)MCF7 AdVp3000細胞から膜小胞を調整し,小胞内への薬剤輸送について解析したところ,ATP依存性のleukotrien C4の取り込みがみられた。しかし,MRPの基質であるestradiol-17-β-D-glucuronideの取り込みは認められなかった。また,GS-platinumはleukotrien C4の取り込みを阻害しなかったことから,MXRはMRPやCDDP耐性細胞に発現するGS-Xポンプとは異なる基質特異性をもったGS-Xポンプである可能性が示唆された。今後,(2),(3)の手法を用いてMXRの薬剤輸送を阻害する方法を開発していく。
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