2001 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病による性機能障害へのIGFBP3の関与の解明
Project/Area Number |
13671665
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
邵 仁哲 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (40305587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 直登 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (40227921)
勝山 真人 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60315934)
矢部 千尋 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (70150571)
河内 明宏 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (90240952)
三木 恒治 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (10243239)
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Keywords | IGF-1 / IGFBP-1 / 勃起障害(ED) |
Research Abstract |
我々は、糖尿病に伴う勃起障害(ED)の詳細なメカニズムの解明を目的として、糖尿病発症による陰茎脚での遺伝子発現の変化を、cDNA array(マクロアレイ)を用いて解析を行い、EDとの関連性を検討した。 糖尿病ラットモデル群とコントロール群との比較で、糖尿病群では血糖値の上昇(糖尿病群569±114mg/dl、コントロール群104±10mg/dl)および勃起時の陰茎海綿体内圧の低下(糖尿病群56±14mmHg、コントロール群94±11mmHg)が確認された。両群ラットの陰茎脚を摘出し、588種類の遺伝子がブロットされたcDNA array membraneを用いてシグナル強度の違いを比較した。 その結果、糖尿病誘発により発現量が三分の一以下に減少した遺伝子は5種類で、Proto-oncogeneのErbB3、細胞周期に関与するcyclin D2、脂質代謝に関与するliver carboxylesterase10とcerebroside synthase、蛋白質代謝に関与するserine Protease RNK-MET1であった。また糖尿病誘発により発現量が3倍以上に上昇した遺伝子は、インスリン様増殖因子結合蛋白-3(IGFBP-3)のみであった。 ノーザンブロット解析によると、約2.5kbのIGFBP-3 mRNAは糖尿病ラットで約5倍に増加していた。またウエスタンブロットによる検討では、糖尿病ラットで40kD付近にIGFBP-3のバンドが検出された。一方、コントロールラットでは検出限界以下であった。 今回の我々の実験結果から、糖尿病ラット陰茎脚では、IGFBP-3の発現亢進により、増殖因子としてのIGF-Iの作用が低下し,血管内皮細胞や海綿体平滑筋細胞が減少した結果NOの産生が低下し、勃起障害が誘発される可能生が示唆された。
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