2001 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素分子種は内分泌かく乱物質の生殖器に及ぼす作用をどう修飾するか
Project/Area Number |
13671718
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐々木 順造 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30093686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小阪 淳 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40243216)
山田 輝夫 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00033225)
野村 貴子 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20116437)
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Keywords | 内分泌撹乱物質 / フタル酸エステル / 活性酸素 / cDNAマイクロアレイ / アポトーシス / ラット / 精巣 |
Research Abstract |
過酸化水素などの活性酸素分子種は、精子の生理において重要な役割を持つことが知られている。プラスチックの可塑剤であるフタル酸エステルDi(2-ethylhexyl)phthalate(DEHP)を経口投与したラットでは、著明な精巣萎縮が観察されるが、この変化はビタミンCやEの投与で軽減されることから、この過程に活性酸素が関与していると考えられる。 今回、35日令のウィスター系ラットにDEHPを2g/kg経口投与した後、6-9時間後に精細管に変性した精母細胞、多核精子細胞が増加するのが観察された。DEHP投与により、精巣のO_2^-やH_2O_2などの産生が増加する事、精巣の主要な抗酸化物であるグルタチオンやアスコルビン酸などの濃度が低下すること、精巣から分離したミトコンドリアを用いた実験により、DEHPの代謝産物であるモノエステル(MEHP)がチトクロームCを著明に遊離させることが判明した。この際、形態学的にもTUNEL染色陽性細胞が検出され、酸化ストレスにより生殖細胞のアポトーシスが誘起されていることが示唆された。 DEHP投与ラット精巣のmRNAより^<32>P標識したcDNAを合成し、cDNAマイクロアレイを用いて、その遺伝子発現パターンを解析した。その結果、testis lipid-binding protein(TLBP)など、数種の遺伝子の発現が著明に減少していることが判明したが、ISH解析では遺伝子発現の減少は顕著ではなかった。 cDNAマイクロアレイによる分析結果に、形態学的解析を加味することはきわめて重要である。cDNAマイクロアレイにより、マーカー分子を検索し、引き続いての形態学的解析により、網羅的に分子の挙動を明らかにすることによって、DEHPによる精巣萎縮の分子機構を明らかにしていく予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Maruyama, K.: "Methylprednisolone accelerates the resolution of glomerulonephritis by sensitizing mesangial cells to apoptosis"Exp.Nephrol.. 9. 317-326 (2001)
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[Publications] Ito, S.: "A novel WD40 repeat protein, WDC146, highly expressed during spermatogenesis in a stage-specific manner"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 280. 656-663 (2001)
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[Publications] Mori, H.: "Expression of phospholipid hydroperoxide glutathione peroxidase(PHGPx) mRNA in rat testis"Acta Histochem.Cytochem.. 34. 25-30 (2001)
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[Publications] Yamada, T.: "Histochemical and immunohistochemical changes in rat hepatocytes after halothane exposure"J.Anesthesia. (in press). (2002)