2003 Fiscal Year Annual Research Report
可溶性IGF-IR組み換え蛋白による卵巣癌腹腔内播種の分子標的治療
Project/Area Number |
13671719
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
本郷 淳司 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (10301293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野内 光夫 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50261235)
児玉 順一 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (90263582)
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Keywords | IGF-Iレセプター / 卵巣癌 / 分子標的治療 / アポトーシス / バイスタンダー効果 |
Research Abstract |
1.dominant negative IGF-IRである486/STOPのcDNAを作成し、これを恒久的にヒト卵巣癌由来培養細胞であるCaOV-3細胞に遣伝子導入して作成したクローンを用いて、この培養上清から組み替え蛋白を精製した。 2.この組み替え蛋白を添加することにより、CaOV-3細胞の軟寒天培地における足場非依存性増殖能を抑制することが可能であった。 3.この組み換え蛋白をPBSに懸濁してヌードマウス皮下接種にて形成したCaOV-3腫瘍に直接投与したところ、腫瘍の増大を抑制することが可能であった。 4.486/STOPのin vivoでの動態をヌードマウス皮下接種後に回収して検討したところ、486/STOP発現CaOV-3クローンは24時間以内に急激にアポトーシスに陥ることが示された。また実際に486/STOP発現CaOV-3クローンと親細胞を各々の時間共培養した後に、同様にin vivoにて検討したところ、最低48時間の間、共培養しないと、有効なバイスタンダー効果が得られない事が判明した。これらの事より、486/STOPの有するバイスタンダー効果を生かすためには、遺伝子導入よりも486/STOP組み換え蛋白の局所投与が合目的であると考えられた。 5.現在まで検討していたdominannt negative IGF-IRである486/STOPに加え、将来の分子標的治療を目指して新たなdominant negativeである150/STOP,250/STOP,そして350/STOPのcDNAをsite directed mutagenesisにて作成し、発現ベクターを構築した。 6.一過性遺伝子発現によるclonogenic assayでは、150/STOPだけは他のdominant negativeと比較して、明らかに細胞毒性が低いことが確認された。
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Research Products
(1 results)