2001 Fiscal Year Annual Research Report
子宮頸癌および前癌病変術後におけるHPV感染存続機構の解明
Project/Area Number |
13671720
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉野内 光夫 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (50261235)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 昌二 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (70335602)
那須 保友 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (20237572)
児玉 順一 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (90263582)
|
Keywords | ヒトパピロース・ウイルス / 子宮頚癌 / 存在様式 |
Research Abstract |
子宮頸癌の発生におけるHPV DNAの宿主DNAへの取り込み(integration)の重要性に注目し,16型HPVの存在様式の簡便な診断法を確立した。Integrationの際にはE2領域が好んで寸断・欠失し,結果としてE6/E7蛋白の高発現を来す。そこで,定量的リアルタイムPCR法を用い,E2およびE6遺伝子のコピー数を算出し,1. HPV DNAがintegration単独で存在する場合はE2遺伝子は増幅されない。2. episome単独で存在する場合はE2およびE6遺伝子のコピー数はほぼ同数である。3. 両方の存在様式が混在する場合にはE2遺伝子のコピー数がE6遺伝子のコピー数より少なくなる。という仮定に基づいて存在様式を判定した。すでに存在様式の判明している22例の浸潤子宮頸癌について本法による存在様式診断を行ったところ,その精度はサザンブロット法を上回り,2次元電気泳動法に匹敵することが確認された。また,28例の子宮膣部擦過細胞を加えた計50例について検討した結果,病変の進行とともにintegrationの存在様式が増加する傾向を認めた。また,従来integrationはほとんど起こっていないとされているCIN症例においても11例中4例のintegration(2例の混合様式を含む)を確認した。以上の結果をJounal Clinical Microbiologyに投稿し,2002年40巻3号に掲載された。 以上のように本研究課題を行う手法が確立し研究を行う準備が整ったが,本研究課題は子宮頚部・尿道上皮擦過細胞を材料として遺伝子診断を行うものであり,また配偶者は無症候性の感染である可能性がきわめて高いなど,その実施にあたっては倫理的配慮を要し,患者のみならず配偶者からも充分な同意を取得する必要があるため,研究課題を本学医学部倫理委員会に申請した。
|
Research Products
(1 results)