2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13671737
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
田村 尚也 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (50271169)
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Keywords | 子宮内膜癌 / レプチン / エストロゲン受容体 / 肥満 |
Research Abstract |
子宮内膜癌石川株に各種濃度のレプチンを添加培養し細胞に発現されているER wild type(ER Wt)mRNA, ERΔ5(exon 5欠失ER)mRNAの発現について検討した。その結果、添加レプチン濃度、添加培養時間依存性にERΔ5mRNAの発現量は無添加群にたいして有意な増加を確認することができた。しかしER Wtに対する影響は無添加群との間で有意差を認めることができなかった。一方E_2の添加においてはER Wtの有意な増加にたいしてERΔ5はその発現量の変化に有意な変化を認めておらず、レプチンは子宮内膜に対してエストロゲン受容体発現調節において選択的スプライシングに影響を与え、性ステロイドの作用とは根本的に異なるきわめて特異的な作用を発揮することが明らかとなった。また培養環境にフェノールレッド無添加MEM培養液を用い、チャーコール・デキストランにてステロイドfreeの状態に処理した牛胎児血清を4%に調整し継続培養を行うとレプチン添加群の方が明らかに細胞増殖能が高く、コロニーアッセイにおいてもコロニー形成能が高い傾向が認められた。このことより低エストロゲン環境下においてエストロゲン依存性内膜癌細胞である石川細胞に対し、レプチンはエストロゲン欠如による細胞増殖能の低下を代償する作用があることが確認され、ERΔ5mRNAの発現がエストロゲンfreeの状態においてdominant positiveに作用している可能性が強く示唆される結果を現在までに得ている。しかしエストロゲン添加時に認められるER WtによるPRの誘導作用は、レプチン添加によるERΔ5の発現増加によるPRの発現誘導には関連しておらず、低エストロゲン状態におけるレプチンの作用を考える上で極めて重要な知見と考えられる。
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