2001 Fiscal Year Annual Research Report
子宮頸癌におけるM-CSF・c-fmsによる情報伝達系の解析-浸潤・転移機構への関与を中心として-
Project/Area Number |
13671744
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 直 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90246356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 大輔 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30167788)
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Keywords | 子宮頸癌 / hCG / 分化誘導 / M-CSF / c-fms |
Research Abstract |
絨毛性疾患の腫瘍マーカーの一つであるヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)が、非絨毛性疾患の特に子宮癌においても異所性に産生されることが知られている。一方、多分化能を有するヒト胎児性癌細胞・NCR-G3細胞は、分化誘導剤のレチノイン酸により栄養膜細胞へと分化しhCGを産生するようになる。これまでに我々はNCR-G3細胞がhCGを産生し栄養膜細胞へと分化する過程において、マクロファージコロニー促進因子(M-CSF)とその受容体のc-fmsが機能的に重要な役割を有することを報告してきた。本研究において、子宮頸癌における異所性hCG産生とM-CSF・c-fms情報伝達系との関連を検討し、その産生メカニズムを分子生物学的に解明することを目的とした。 本研究室において樹立されたヒト子宮頸癌細胞株4種類(SKG-I、SKG-II、SKG-IIIa、SKG-IIIb)を用いて、まずM-CSFとc-fmsのmRNAレベルでの発現をRT-PCR法にて解析した。その結果全ての細胞株でM-CSF mRNAおよびc-fms mRNAの発現が認められた。次に、分化誘導剤であるSodium Butyrate(SB)とレチノイン酸(ATRA)を各細胞株に添加し、培養上清中のhCGとβ-hCGの産生を測定した結果、培養上清中にhCGとβ-hCGの産生を認めたのはSKG-Iのみであった。特に、SBを添加した際にはhCGとβ-hCGの産生がともに認められるようになったが、ATRAを添加した際にβ-hCGのみ産生が認められた。 以上より、子宮頸癌においてもその異所性hCG産生において、M-CSF/c-fmsを介した分子機構が関与している可能性が示唆された。現在、これらヒト子宮頸癌細胞株の分化誘導後のhCGおよびβ-hCG産生において、M-CSFとc-fmsが機能的に重要であるか否かを検討するため、抗ヒトM-CSF中和抗体および抗ヒトc-fms中和抗体を用いて検討を行っている。
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