2002 Fiscal Year Annual Research Report
p27遺伝子の一塩基多型解析による自然流産および胞状奇胎のリスク判定と人種間比較
Project/Area Number |
13671750
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
鷹橋 浩幸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00246414)
|
Keywords | 自然流産 / p27遺伝子 / 1塩基多型 |
Research Abstract |
今年度は、自然流産胎児とp27遺伝子多型につきRFLP解析に加え、SSCPによりgenotypingを行った。さらに免疫組織化学染色にて流産絨毛におけるp27たん白発現を解析した。95症例の自然流産絨毛、コントロールとして79例の母親脱落膜組織を用い、DNA抽出後各例PCR、RFLP解析、SSCP解析によりgenotypeを決定した。その結果、流産胎児においては、C/C:26例(27.4%)、T/C:19例(20.0%),T/T:50例(52.6%)であった。一方母親組織では、C/C:25例(31.6%)、T/C:15例(18.9%)、T/T:39例(49.3%)であり、両者のgenotype分布には統計学的有意差を認めなかった。さらに、免疫組織化学染色を用いて、胎児genotype別の、絨毛上皮におけるp27たん白発現量を解析した。その結果、C/Cの胎児では、絨毛上皮のたん白染色性は、1+:11例、2+:6例、3+:1例であり、T/Cの胎児では、1+:8例、2+:15例、3+:2例、T/Tの胎児では、1+:4例、2+:8例、3+:6例であった。C/CとT/Tでは、たん白発現分布に統計学的有意差を認めた。また免疫染色のコントロール群として、絨毛上皮にubiquitousに発現しているサイトケラチン染色をおこなったがC/C、C/T、およびT/T間で発現量の差は認めなかった。以上より、この1塩基多型は自然流産のリスクには、直接的に関与していないが、p27遺伝子たん白発現量の調節に関与していると考えた。
|