2001 Fiscal Year Annual Research Report
発声運動司令が脳幹聴覚受容機構におよぼす影響の解析
Project/Area Number |
13671762
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
坂本 尚志 旭川医科大学, 医学部, 教授 (30170608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野中 聡 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (50180758)
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Keywords | 発声 / 中心灰白質 / 聴覚中継核ニューロン |
Research Abstract |
本研究では、実際の発声時に発声運動司令が皮質下・脳幹レベルにおける聴覚受容機構におよぼす影響を解析することを目的としている。 そのために、本年度は脳幹単一聴覚中継核ニューロンを同定し、発声運動中枢からの入力様式の解析、およびそのニューロン活動の周波数応答特性の関連性を解析することを目的として研究を進めた。 中脳前縁で脳幹を切断した除脳ネコ発声モデルを用い、中脳中心灰白質に存在する発声中枢に連続刺激を加え、発声運動を引き起こす部位を同定した。誘発された発声の基本振動数、およびフォルマントの経時的変化に対応した聴覚刺激を、交付予算で購入した音声刺激装置より加え、周波数特性を同定した聴覚中継核ニューロンの中脳発声中枢からの刺激による活動様式の解析を進めた。 聴覚中継核ニューロンは、外側毛帯背側核および腹側核から記録した。中脳発声中枢から聴覚中継核ニューロンへの入力様式は、タングステン微小電極法を用いた細胞外記録を用い、中脳発声中枢からの単一刺激に対する応答性、並びに聴覚刺激に対する周波数応答特性を同定し、発声中の活動の変化の解析を試みた。 中脳発声中枢からの単一刺激に対する応答性は、促通よりも抑制が主体の傾向があることは認められたが、細胞外記録で抑制性を証明するための自発発射に対するperistimulus time histogramの作成が、予想していたよりも困難で、十分な成果を出すに至っていない。今後は聴覚刺激に対する誘発反応のrecovery curveの作成により、中脳発声中枢からの入力様式を解析する方法を検討中である。また、発声の基本振動数、およびフォルマントの経時的変化に対応した周波数応答特性の解析も、刺激装置の導入が遅れ、未だ十分な成果を出すに至っていない。
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