2001 Fiscal Year Annual Research Report
喉頭機能障害に対する新治療法の検討-機能的電気刺激を用いた機能回復の試み-
Project/Area Number |
13671763
|
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
野中 聡 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (50180758)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片田 彰博 旭川医科大学, 医学部, 助手 (90281899)
|
Keywords | 反回神経麻痺 / 機能適電気刺激 / 最適刺激条件 / 吸気運動 / 発声運動 / 除脳ネコ |
Research Abstract |
喉頭機能障害は様々な原因で引き起こされ、特に神経障害に基づく機能低下は高齢者に多く認められる。近年、微小電気刺激により麻痺筋を収縮させる機能的電気刺激(functional electrical stimulation : FES)が注目されている。本研究では中枢、末梢神経障害を原因として引き起こされた種々の喉頭機能障害を運動補助FESを用いて機能再建することを目指し、その遂行に必要な基礎的実験成績を主に動物実験により収集した。 まず、種々の喉頭機能を筋活動の観点から解析し、得られた喉頭運動の筋電図的な特徴をまとめ、人工的な喉頭運動を誘発させるために必要な適切な刺激条件を決定した。あらかじめ反回神経麻痺を引き起こしたネコを用い、麻痺側の甲状披裂筋と後輪状披裂筋に電極を刺入して微小電気刺激を加え、声門の閉鎖と開大運動を誘発した。声門運動の変化は硬性鏡とCCDカメラにより観察した。その結果、声帯の閉鎖開大運動の誘発には30-50Hzの微小電気刺激が適していることが明らかとなった。さらに、横隔膜の筋活動をトリガー信号として麻痺声帯に電気刺激を加え、声帯の吸気運動を誘発することができた。また、中脳中心灰白質に電気刺激を加え、発声運動を誘発した際に、麻痺筋に電気刺激を加え、発声運動を誘発した。その結果、発声時の声門下圧の上昇と発声音の音圧が上昇した。
|