2002 Fiscal Year Annual Research Report
double patch法による単離内有毛細胞のviability維持の試み
Project/Area Number |
13671769
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅澤 正 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (00179110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 幸士 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50323548)
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Keywords | 内耳 / 内有毛細胞 / Patch clamp / glutamate |
Research Abstract |
本研究は、double patch法による正常内耳環境の復元、及び有毛細胞単離操作において認められる基底部の空胞形成等の障害の軽減の解析と要望を中心としている。 前者double patchは理論的には可能であるが、技術的には極めて困難で、本年も再現可能なデータを獲得できなかった。特に内有毛細胞上面クチクラ側は、堅いアクチンで構成されており、同部に対するpatchは困難であり、一見seal出来たかに見えても、電気的にはリークが多く、陽電位は維持不能であった。今後も同法を試みるが、細胞膜の嵌頓を必要とするpatch形成は極めて困難であると推定され、最終年度は生理環境の完全復元は困難である場合、最低限、イオン環境の復元を目標とし、静止膜電位、脱分極刺激誘発電流に対する影響を検討する。 後者は、形態学的変化が強大騒音負荷時の内有毛細胞変化と極めて類似しており、単離操作による、機械的刺激による、グルタミン酸過剰分泌による障害が疑われた。また、これら空胞変性を認める細胞はCa-activated Kチャンネルを分離不能のことが多く、何らかの原因で細胞内カルシウム濃度の上昇が予想された。騒音付加と同様glutamate antagonistの効果が期待されたので、Glutamate antagonistを処理液に加え単離操作を行ったが、静止電位等の指標に変化を認めなかった。処理液は機械操作が終了してから加えられるため、既に変性が起きていることが推定された。本年度は、処理前にantagonist投与が可能であるか、投与経路を検討したい。
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