2003 Fiscal Year Annual Research Report
頭蓋底外科のアプローチ法開発のための臨床解剖学的研究
Project/Area Number |
13671770
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岸本 誠司 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30115828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 恵一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80231819)
石川 紀彦 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (60184488)
田中 博 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60155158)
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Keywords | 頭蓋底 / 手術 / 解剖 / 3次元再構築 / 組織血流 |
Research Abstract |
1.頭蓋底の肉眼解剖 頭蓋底の手術術式について屍体10体を用いて解剖学的検討を行った。Facial dismasking法やLe Fort I型骨切り法など、顔面表面に皮切線を入れないあるいは顔面表面の皮切線が目立たないといった整容的に優れた術式を用いた手術によって得られる頭蓋底の到達範囲について、顔面に皮切線を大きく入れる従来の術式のそれと比較した。その結果において、前者は従来の術式に比べほぼ同等の広い術野が確保でき、病変の摘出範囲も大きく変わらないことが分かった。これらの結果、より侵襲が少なく整容的にも優れた様々な術式が臨床に用いられ、治療成績や術後のQOLの向上につながっている。 2.外頭蓋底解剖の3次元再構築. 独自の手法による頭蓋底解剖3次元構築は未完である。しかし頭蓋底手術に3次元画像を用いたナビゲーションシステムを臨床応用し、ナビゲーションシステムの応用範囲を拡大しその有用性をさらに高めた。 さらにナビゲーションシステムを応用したシミュレーション手術法も開発した。 3.頭蓋底手術における離断組織の血流温存 頭蓋底へアプローチする際、骨や筋・筋膜など様々な組織を離断展開していくが、それらの組織を有茎弁として血流を温存することにより、術後に一旦離断された組織の再建がより確実に行える。しかし血流がどの程度、またどの範囲まで温存できるかは明らかにされていない。これまで、離断された有茎組織の血流を測定しデータを集積してきた。今後これらのデータを解析することにより、有茎として組織を離断挙上する際のより確実な血流の温存法を検討していく。
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Research Products
(13 results)
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[Publications] 岸本 誠司: "頭頚部横紋筋肉腫の治療"小児外科. 35・1. 31-37 (2003)
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[Publications] 伊藤卓, 木村百合香, 石川紀彦, 岸本誠司, 大野喜久郎, 他: "著明な眼球偏位を認めた鼻腔軟骨中皮性過誤腫の1例"頭頚部外科. 12・1. 45-51 (2003)
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[Publications] M.Sakuraba, Y.Kimata, Y.Ota, S.Kishimoto, K.Harii, S Ebihara: "Simple maxillary reconstruction using free tissue transfer and prostheses"Plast.Reconstr.Surg.. 111. 594-598 (2003)
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[Publications] 伊藤卓, 堤剛, 伴有紀, 林智誠, 岸本誠司, 大野喜久郎, 飯田秀夫: "頭蓋底手術におけるナビゲーションシステムの応用"耳鼻咽喉科展望. 45・5. 403-406 (2003)
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[Publications] 渡辺昭司, 岩武博也, 肥塚泉, 岸本誠司: "中咽頭から上咽頭に進展した腫癌に対する maxillary swing approach"口腔科. 15・3. 369-377 (2003)
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[Publications] 川島慶之, 小林麻里, 飯田秀夫, 大野喜久郎, 石川紀彦, 岸本誠司: "前頭蓋底、眼窩へ進展した篩骨洞原発 Cement-ossifying Fibromaの1例"頭頸部外科. 12・2. 71-75 (2003)
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[Publications] 岸本誠司, 伊藤卓, 石川紀彦: "頭蓋底を中心とした頭頚部領域の手術におけるナビゲーションシステムの有用性について"耳鼻咽喉科展望. 46・5. 404-408 (2003)
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[Publications] H.Iida, S.Kishimoto, T.Umeda Y.Hata: "Secure Flap Fixation to Bony Tissue Using an Anchoring System in Skull-Base Surgery"J.Reconctr.Microsurgery. 19. 561-566 (2003)
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[Publications] S.Aoyama, H.Iwaki, T.Amagasa, K.Kino, N.Okada, S.Kishimoto: "Pigmented villonodullar synovitis of the temporomandibular joint : differential diagnosis and case report"Br.J.Oral Maxillofacial Surg.. 42. 51-54 (2003)
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[Publications] M.Kobayashi, A.Tsunoda, K.Akita, I.Yamada: "Estimation of the Endolymphatic Sac and Vestibular Aqueduct using a MR imaging"Laryngoscope. 113. 1014-1023 (2003)
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[Publications] 伊藤卓, 岸本誠司: "頭頸部外科におけるナビゲーション手術とその将来"耳鼻咽喉科頭頚部外科. 75・11. 799-803 (2003)
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[Publications] 岸本誠司: "今日の耳鼻咽喉科頭頚部外科治療指針(第2版)鼻咽腔血管線維腫"医学書院. 1 (2003)
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[Publications] 岸本誠司: "新癌の外科-手術手技シリーズ8,頭頸部癌 鼻・副鼻腔癌"国立がんセンター編 監修 垣漆 忠生、編集林 隆一. 12 (2003)