2001 Fiscal Year Annual Research Report
嗅覚系におけるcyclicADPリボースによるニオイ情報伝達機構の解明
Project/Area Number |
13671773
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
三輪 高喜 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20229909)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
唐澤 忠宏 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90251917)
|
Keywords | 嗅細胞 / cyclicADPリボース / セカンドメッセンジャー / 嗅覚 |
Research Abstract |
嗅覚系の一次ニューロンは鼻腔内に存在する嗅細胞である。ニオイ分子は嗅細胞表面にある受容体と結合し,受容体が引き起こす反応が細胞内に電位変化をひきおこし,上位ニューロンへ伝達されるといわれている。この電位変化を起こすための細胞内伝達物質は,これまでcyclicAMPあるいはイノシトール三リン酸といわれていたが,近年,cyclicADPリボースが嗅細胞内セカンドメッセンジャーとしての機能を有するのではないかと指摘されるようになった。そこで我々は主に生化学的あるいは分子生物学的手法を用いて,嗅細胞内でのcyclicADPリボースの機能を追求した。本研究に先立ち,本年は嗅細胞からニオイ分子と受容体の直接の反応の場である嗅線毛を取り出し,そこでのニオイ刺激による細胞内セカンドメッセンジャーの変化を測定する手技の確立に務めた。具体的にはカルシウムショック法という手技を用いて嗅線毛をマウスから抽出した。次いで,既に特定のニオイ種で変化することが知られているcyclicAMPならびにイノシトール三リン酸の合成活性を測定した。現在のところ秒単位の変化に関しては測定が可能であるが,ニオイ刺激後のセカンドメッセンジャーの動的な変化はミリ秒単位であるため,秒単位の変化がミリ秒単位の変化を反映するものか現在検討中である。 また,同時にcyclicADPリボース合成に関与するといわれているCD38分子の存在をウエスタンブロッティング法を用いて検討中である。
|