2002 Fiscal Year Annual Research Report
Galectin-3過剰発現による甲状腺発癌メカニズムの解明-特に、甲状腺特異的にgalectin-3を発現するトランスジェニックマウスの開発-
Project/Area Number |
13671777
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
猪原 秀典 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00273657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤埴 詩朗 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80322189)
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Keywords | galectin-3 / 甲状腺癌 / サイログロブリンプロモーター / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
甲状腺特異的にgalectin-3を発現するトランスジェニックマウスを作成するために、サイログロブリンプロモーター下にgalectin-3遺伝子をつないだトランスジーンを構築した。先ずgalectin-3cDNAをpSG5(Stratgene)にサブクローニングし、pSG5-galectin-3を作製した。続いてDr. Ledentから供与されたサイログロブリンプロモーターを組み込んだpSKTgをEcoRIで処理後blunt end化し、更にSalIで処理した。一方pSG5-galectin-3をStuIおよびSalIで処理し、この両者からpSKTg-galectin-3を作製した。galectin-3を発現しないがサイログロブリンを発現する甲状腺正常濾胞細胞株FRTL-5にpSKTg-galectin-3を導入しstable transfectantを確立したところgalectin-3の発現を認めた。以上より、pSKTg-galectin-3ではサイログロブリンプロモーター下にgalectin-3の発現を誘導できることが確認できたため、pSKTg-galectin-3から切り出したトランスジーンをマウス受精卵の前核中にマイクロマニピュレーターを用いて注入した。注入後に生き残った受精卵を不妊手術をした雄と交尾した仮親の卵管中に移植した。22匹(うち1例は死亡)の子供が出生し、尾から採血しDNAを抽出してgalectin-3cDNAに対するPCRを行ったところ、6匹のマウスでトランスジーンが組み込まれていることを確認できた。即ち、甲状腺特異的にgalectin-3を発現するトランスジェニックマウスを6ライン作成できた。現在この作成したトランスジェニックマウスを繁殖しており、今後各ラインのトランスジェニックマウスの甲状腺に癌の発生が認められるか、経時的に観察する予定である。
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