2002 Fiscal Year Annual Research Report
重力変化による内耳水チャネル、カリウムチャネル分子発現量変化の解析-宇宙空間における内耳液のイオン組成・浸透圧変化と聴覚・前庭機能への影響-
Project/Area Number |
13671778
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
土井 勝美 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40243224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀井 新 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30294060)
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Keywords | 重力負荷 / オステオポンチン / 水チャネル / グルタミン酸受容体 |
Research Abstract |
当科で作製した回転装置を用いて、ケージ内のSD系ラットに336^0/s(56rpm)の角速度を与えることで2Gの重力負荷を行った。2G負荷2時間、3日、7日後にラット内耳より前庭(球形嚢、卵形嚢)、蝸牛、内リンパ嚢をそれぞれ摘出してmRNAを抽出し、real-time PCR法を用いてその発現量の変化を検討した。前庭の耳石形成に関与するとされるオステオポンチンmRNA量に有意な変化はみられなかった。内リンパ嚢および蝸牛における水輸送に関与するとされる水チャネルAQP3、AQP4のmRNA量にも有意な変化はみられなかった。一方、前庭神経節細胞では、7日後にグルタミン酸受容体GluR2のup-regulationがみられ、前庭神経核細胞では2時間後にNR1受容体にdown-regulationが観察された。以上の結果から、聴覚・前庭系の神経伝達の主役であるグルタミン酸受容体の重力変化に応じた機能的変化を今後さらに解析していくことで、将来的な宇宙時代の到来を前にしての、「感覚器の宇宙医学」を確立するための第一歩としたい。
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