2002 Fiscal Year Annual Research Report
嗅細胞の分化/ニオイレセプタ発現制御因子遺伝子の研究
Project/Area Number |
13671779
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村田 潤子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80332740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 孝明 産業技術総合研究所, ライフエレクトロニクス研究ラボ, 主任研究官
土井 勝美 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40243224)
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Keywords | 神経幹細胞 / 内耳有毛細胞 / アレルギー性鼻炎 / 後鼻神経切断術 / 神経再生 |
Research Abstract |
昨年度の研究実績報告書にも書いたように当初予定していた実験内容では若干無理が生じたため、耳鼻科の中でもやや基礎的な分野と臨床的な分野の2つに課題を発展させて研究中である。 前者としてはマウス内耳を研究対象とし、感覚器の発生について嗅細胞の場合とも比較しながら検討している。内耳有毛細胞の発生にはNotchリガンドを介してのプロニューラル遺伝子Math1と抑制型bHLH遺伝子Hes1などのバランスが重要な働きをしていることがわかってきた。神経幹細胞特異的マーカーであるMusashi1もNotchのactivatorであることがわかった。我々はMusashi1の発現をマウス内耳で調べ、young adult mouseの内耳感覚上皮では主に支持細胞を中心に発現していることを初めて同定した。この結果については、第12回日本耳科学会総会(2002年、東京)The 26^<th> ARO Midwinter Research Meeting(2003, Daytona Beach, Florida)にて発表した。 後者に関しては通年性アレルギー性鼻炎の症例で、薬物療法に抵抗する重症例にはレーザーによる下甲介粘膜焼勺術などの外科的治療が行われてきたが、1998年ごろからは内視鏡下に鼻内より後鼻神経を切断し、鼻汁分泌やくしゃみ発作をコントロールする術式が施行されるようになってきた。われわれは術前から術後の比較長期にわたる自他覚症状のフォローアップ、RASTスコアの変化、下鼻甲介粘膜の病理組織学的検討を通じて、この術式の有効性について評価し第103回日本耳鼻咽喉科学会学術講演会(2002年、東京)にて発表した。なお切断した後鼻神経の再生の可能性とその臨床症状に与える影響について現在検討中である。
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