2001 Fiscal Year Annual Research Report
喉頭摘出者における代用音声の発声調節機構に関する研究-喉頭発声との関連-
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13671780
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
毛利 光宏 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20166317)
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Keywords | 咽頭摘出術 / 音声リハビリテーション / 気管食道瘻発声 / 発声機構 / 下咽頭収縮筋 / 頸部食道閉鎖 / 気管膜様部血流 |
Research Abstract |
1.気管食道瘻発声と喉頭発声の違いについて 喉頭発声における声門摩擦音「ハ、へ、ホ」(以下[h])は声門で生成される無声子音である。喉頭摘出後における気管食道瘻発声ではこれら[h]は最も生成が困難な日本語であるが、部これら[h]を生成できる患者が存在する。気管食道瘻発声者80名の内[h]生成可能な患者8名を対象とし、不可能な4名を対照としてその差異を内視鏡検査、空気力学的検査、筋電図検査により解明した。 [h]生成時に呼気流率と新声門上圧の一過性増加が見られ、一方甲状咽頭筋筋放電と新声門下圧の一過性低下を認めた。[S]生成時にも呼気流率と新声門上圧の一過性増加や甲状咽頭筋筋放電の一過性低下は見られたが、新声門加圧の低下は認めなかった。[h]生成時の筋放電の一過性低下は[s]生成時のそれより著名であった。母音/a:/生成時の新声門抵抗は[h]生成可能群では不能群と比べて有意に低値を示した。以上から、気食瘻発声では新声門摩擦音[h]生成が(1)他の無声音に比較してさらに甲状咽頭筋を弛緩させる新声門調節と(2)新声門下圧の一過性低下すなわち呼気調節との協調により遂行されていることがわかった。 2.両側甲状腺動脈切断による気管膜様部粘膜血流量の変化 気管食道瘻形成術では残存気管膜様部と食道粘膜の間に側側吻合をなし、気管膜様部を用いて痩孔を完成させる。喉頭癌や下咽頭癌の手術では甲状腺を同時に摘出する、すなわちその栄養動脈を切断することがしばしばある。これら動脈は上記気管膜様部や頸部食道をも栄養していると考えられ、その結紮が本手術に与える影響は大きいと考えられる。甲状腺を全摘することが治療上必要な下咽頭癌患者において、両側の上下甲状腺動脈を順次切断して行く過程での気管膜様部血流量の変化をレーザー血流計を用いて計測した。左右併せて4本の甲状腺動脈の内、一側2本と他側上甲状腺動脈を結紮しても気管膜腰様部の血流量の低下は認められず、4本とも切断して初めて著明な血流量の低下を招くことがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 長谷川信吾: "気管食道瘻発声における新声門摩擦音の生成機構"日本耳鼻咽喉科学会会報. 104. 495-503 (2001)
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[Publications] Mutsuo AmatSu: "Significance of Retropharyngeal Node Dissection at Radical Surgery for Carcinoma of Hypopharynx and Cervical Esophagus"The Laryngoscope. 111. 1099-1103 (2001)