2003 Fiscal Year Annual Research Report
頭頚部癌の神経周囲浸潤における細胞外マトリックス、接着因子の意義に関する研究
Project/Area Number |
13671785
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
倉富 勇一郎 九州大学, 大学病院, 講師 (30225247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安松 隆治 九州大学, 大学病院, 医員 (00444787)
益田 宗幸 九州大学, 大学病院, 助手 (90284504)
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Keywords | 頭頚部癌 / 腺様嚢胞癌 / 舌扁平上皮癌 / ラミニン / コラーゲン / 細胞外マトリックス / 神経周囲浸潤 |
Research Abstract |
1.舌扁平上皮癌におけるラミニン発現 レトロスペクティブな検討から舌扁平上皮癌組織におけるラミニンγ2鎖の発現様式が辺縁性発現とびまん性発現型の二つに分類され,、ラミニンγ2鎖びまん性発現型は辺縁性発現型より予後不良であることが分かった。そこで舌癌症例の手術切除後に切除マージンの検討とともにラミニンγ2鎖の発現を検討し、以下のような追加治療の方針とした。マージン(-)辺縁性発現型;追加治療なし。マージン(-)びまん性発現型;術後化学療法。マージン(+)辺縁性発現型;術後照射。マージン(+)びまん性発現型;術後照射化学同時併用療法。今後はこの治療法による治療成績について検討する予定である。 2.腺様嚢胞癌におけるラミニンγ2鎖、IV型コラーゲンの発現 腺様嚢胞癌組織におけるラミニンγ2鎖、IV型コラーゲンの発現を検討した。Cribriform typeでは大きな癌胞巣の周辺に加え、pseudocyst内腔に沿った発現がみられた。一方tubular typeでは癌胞巣周辺にのみ発現がみられた。間質や神経周囲への浸潤部では癌胞巣が小さくなり伸長しているが、その小さな癌胞巣でも周辺とpseudocyst内腔に沿って発現がみられた。腺様嚢胞癌では癌胞巣周辺とpseudocyst辺縁には筋上皮由来の癌細胞が存在することが報告されていることから、筋上皮由来癌細胞を裏打ちするようにラミニンγ2鎖、IV型コラーゲンが発現していると考えられる。従って腺様嚢胞癌では、筋上皮由来癌細胞がラミニン・コラーゲンを含む基底膜様のマトリックスを利用しながら浸潤しているのではないかと思われた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 倉富勇一郎: "頭頸部扁平上皮癌における基底膜蛋白ラミニンの意義と癌治療への展開"日本耳鼻咽喉科学会会報. 105・6. 721-726 (2002)
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[Publications] 倉富勇一郎: "舌扁平上皮癌におけるラミニンγ2鎖発現とその臨床的意義"日本耳鼻咽喉科学会会報. in press. (2004)
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[Publications] Yasumatsu R, Kuratomi Y et al.: "Cyclin D1 expression does not effect cell proliferation in adenoid cystic carcinoma of the salivary gland"Eur Arch Otorhinolaryngol. in press. (2004)