2001 Fiscal Year Annual Research Report
組換え抗原を用いたインフルエンザ菌に対する経鼻粘膜ワクチンの開発・研究
Project/Area Number |
13671791
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
福岩 達哉 鹿児島大学, 医学部, 助手 (60325785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒野 祐一 鹿児島大学, 医学部, 教授 (80153427)
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Keywords | 粘膜免疫 / 経鼻投与 / インフルエンザ菌 / アジュバント / マウス |
Research Abstract |
1.方法 まずrP6及びmCTAl-P6の2つの蛋白が抗原として働くかどうか調べるために、全身投与を行い全身性免疫応答確立の有無を調べた。rP6はadjuvantとしてCTを併用して投与を行ったが、mCTAl-P6については単独投与で免疫応答の有無を調べた。マウスの脾臓リンパ球を分離しELISPOT法により免疫グロブリンの定量を行った。また血清中の免疫グロブリンの経時的変化も調べた。 次に全身投与実験で得られた結果から至適投与量を設定し、経鼻免疫実験を行った。各群のマウスの脾臓、鼻腔粘膜、顎下腺、腸管粘膜をそれぞれ採取し、リンパ球を分離してELISPOT法にて免疫グロブリンの定量を行った。また血清、鼻腔洗浄液、唾液、糞便をそれぞれ採取しておき、ELISA法にて免疫グロブリン抗体価を測定した。唾液については抗原特異的IgA凝集抗体価、インフルエンザ菌に対する凝集抗体価もあわせて調べた。 2.結果 全身投与実験ではrP6+CT群、mCTAl-P6群のいずれにおいても脾臓IgG産生細胞の上昇および血清IgGの上昇を認めた。これらの結果を元に経鼻投与実験を行った結果、どちらの群においても脾臓IgG産生細胞の上昇および血清IgGの上昇を認めた。また鼻腔洗浄液、顎下腺より分離したリンパ球のいづれにおいてもIgAの上昇を認めた。IgGサブクラス解析ではIgGlの上昇を認めた。 3.考察 今回の実験結果から、mCTAl-P6は単独投与で経鼻粘膜免疫応答および全身免疫応答を誘導できることがわかった。またIgGサブクラス解析よりこれらの反応はTh2型優位の反応であることが示唆された。インフルエンザ菌に対する凝集抗体価反応は明らかな上昇を示さなかったが、これらの免疫応答がインフルエンザ菌感染を防御可能であるかについては今後の検討が必要と思われる。
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