2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13671797
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
長沼 英明 北里大学, 医学部, 講師 (00198342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 克雅 北里大学, 医学部, 教授 (70134525)
山科 正平 北里大学, 医学部, 教授 (90013987)
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Keywords | 内リンパ水腫 / メニエール病 / 内耳 / 平衡障害 / 聴覚障害 / Vasopressin / ABR |
Research Abstract |
研究方法 実験-1:5匹(コントロール群は5匹)の100-240gのWistar系ラットを用いた。35mg/kgのネンブタールによる麻酔下に頭頂骨に銀メッキを施した直径1mmのビスを頭頂部正中耳介付着部前縁、外眼角の高さの前額部に固定しそれぞれ関電極、不関電極とした。ABRの測定はClickを用い、加算回数は512回で、70dBから10dB毎に0dBまで測定し、第1波の出現最低音圧をABR閾値とした。測定後、0.02units/gのAVP(Pitressin ; Arg-vasopressin, Sankyo, Japan)を腹腔内に投与した。(コントロール群:同量の生理食塩水)その後10分後、30分後、60分後、以後30分毎に210分後までABR閾値を測定した。投与前に比して20dB以上の閾値の上昇を聴覚の低下、低下後投与前の10dB以内に改善した場合を回復とした。 実験-2:4匹のWistar系ラット(100-240g)に対して24hrの水分摂取制限を行い(その前後で尿の浸透圧を測定)実験1と同様にABR閾値を測定した。 研究結果 実験-1: 1.Vasopressinの投与後に聴覚が低下した耳は6耳/10耳(60%)であった。(5例/5例) 2.ABR閾値の上昇が最大に達する時間は多くが30分-120分後であった。 3.聴覚の低下した耳のうち回復が認められた耳は3耳/6耳(50%)であった(3例/5例:60%)。またこの聴覚の低下の程度、閾値が最大値に達するまでの時間に両側耳の間で差が存在した。 4.Vasopressinの投与は腹腔内に行っているにもかかわらず一側のみに聴覚の低下が認められる例が多かったこと(4例/5例、80%)、聴覚低下の程度、閾値の最大に達するまでの時間に両側の耳の間で差が存在したことも、実際のメニエール病に類似した反応と考えられた。 実験-2:水分制限前後の尿浸透圧はそれぞれ877mosm/kg,3031mosm/kgで有意(p<0.0001)に尿浸透圧は上昇した。 1.Vasopressinの投与後に聴覚が低下した耳は4耳/8耳(50%)であった。(3例/4例) 2.聴覚の低下した耳のうち、回復が認められた耳は4耳/4耳(100%)であった。またこの聴覚の低下の程度は実験1に比して高度で、また閾値が上昇するまでの時間は、ほぼ10分であり実験-1に比して早期であった。 3.また、一側のみに聴覚の低下が認められる例は2耳/3耳(66%)であった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hideaki Naganuma et al.: "Three-Dimensional Analysis of Morphological Aspects of The Human Saccular Macula"Ann Oto Rhinol Laryngol. 110(11). 1017-1024 (2001)
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[Publications] Hideaki Naganuma et al.: "Three-Dimensional Analysis of Morphological Aspects of The Human Utricular Macula"Ann Oto Rhinol Laryngol. (in press). (2003)
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[Publications] Nishikitani M, et al.: "Serosal application of Ba^<2+> induces oscillatory chloride secretion via activation of submucosal cholinergic neurones in guineapig distal colon"Acta Physiologica Scandinavica. 174. 257-264 (2002)
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[Publications] Anzai N. et al.: "Development of renal potassium excretion capacity in the neonatal rat"Jpn J Physiol. 51. 745-752 (2001)