2001 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部癌に対する5FUの分子標的と5FU・低用量CDDP療法の研究
Project/Area Number |
13671812
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
長谷川 泰久 愛知県がんセンター, 研究所, 研究員 (10261207)
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Keywords | 頭頸部癌 / 抗癌剤感受性 / 5FU / CDDP / mRNA / DPD |
Research Abstract |
頭頸部癌を対象に5FU/CDDP併用化学療法(PF療法)を行い、腫瘍のThymidylate synthase(TS)とdihydropyrimidine dehydlogenase(DPD), GlutathioneS-transferase π(GST)のmRNA発現と化学療法の効果との関係を解析した。これらの因子がPF療法の効果規定因子となり得るか検討した。 対象方法:対象は進行頭頸部癌24例、原発部位は口腔9例、中咽頭11例、下咽頭4例。組織型は扁平上皮癌が23例で、1腺癌が1例であった。PF療法をネオアジュバントとしてweekly scheduleで7例に、monthly scheduleで14例に投与し治療効果を判定した。同意を得た症例で抗癌剤投与前に腫瘍を生検した。TS, DPD, GSTのmRNAの発現をReverse transcriptase-polymerase chain reaction(RT-PCR)法にて解析し、GAPDHを内因性コントロールとして半定量した。 結果:PF療法の有効例(CR/PR)は14例、58%、無効例(NC/PD)は10例、42%であった。有効群と無効群のTS, DPD, GST値は平均で1.40 vs 0.91,1.16 vs 1.99,0.74 vs 0.74であった。DPD値において両群に最も差が認められた(p=0.06)。口腔癌に限ると有効5例と無効4例のDPD値はそれぞれ0.65と1.66であり、両群に有意な差が認められた(p=0.04)。 考察:DPDは5FU分解の律速酵素であり、5FUの感受性予測因子としての可能性が推察されている。これまでの研究成果で頭頸部癌において5FUのin vitro感受性とDPD値が相関することを見出した。今回の成果ではPF療法の無効例は有効例に比してDPD値が明らかに高値であり、口腔癌では有意な差であった。この結果は頭頸部癌におけるオーダーメイド化学療法でDPDが効果予測系の因子になると考えられた。
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Research Products
(1 results)