2002 Fiscal Year Annual Research Report
頭頚部癌に対する5FUの分子標的と5FU・低用量CDDP療法の研究
Project/Area Number |
13671812
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Research Institution | Aichi Cancer Center |
Principal Investigator |
長谷川 泰久 愛知県がんセンター, 研究所, 研究員 (10261207)
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Keywords | 頭頸部癌 / in vitro感受性 / 5FU / real time RT-PCR / mRNA / DPD / OPRT / TS |
Research Abstract |
予後とQOLに優れた頭頸部癌治療としてのオーダーメイド化学療法の確立を目指して、5-FUとCisplatinの奏効に関与する薬剤効果規定因子を研究した。 対象と方法:頭頸部扁平上皮癌症例を対象に5Fuとcisplatinによる併用化学療法(FP)を導入化学療法として臓器機能温存を目的に行った。薬剤効果規定因子の研究について同意を得た症例で臨床検体を解析した。未治療例では化学療法前に生検し、手術例では切除標本より組織検体を得た。組織検体よりtotal RNAを抽出し、GAPDHを内部基準としてreal time RT-PCR法を用い遺伝子発現を解析した。5FUにはthymidylate synthase (TS)、orotate phosphoribosil transpherase (OPRT)、dihydropyrimidine dehydrogenase (DPD)、cisplatinにはglutathione S-transferase π (GST)のmRNA発現レベルを定量的に解析した。切除検体ではMTT法により5FUとCisplatinに対するin vitro感受性を算出した。 結果:未治療の頭頸部癌13例(中咽頭4、下咽頭7、舌・喉頭各1)にFP療法を行い、内10例、77%でPR以上の奏効が得られた。切除検体14例のin vitro感受性陽性率は5FUが57%、Cisplatinが21%であり、両薬剤の感受性は有意に相関した。TS、OPRT、DPDの各遺伝子発現と5FU感受性との検討ではOPRTと有意に相関したが、TSおよびDPDとは相関しなかった。Cisplatin感受性とGSTでは相関を認めなかった。化学療法後切除5例の検討では化学療法奏効例で5FUとCisplatinのin vitro感受性が高かったが、各遺伝子発現には差を認めなかった。 結語:頭頸部癌に対する薬剤効果規定因子の検討にはreal time RT-PCR法を用いた遺伝子発現の定量的解析がin vitro感受性試とともには有用な情報を提供すると思われた。
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Research Products
(1 results)