2002 Fiscal Year Annual Research Report
重度視力障害患者に対する視機能評価を目的とした新たな光覚測定装置の開発と臨床応用
Project/Area Number |
13671815
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中川 陽一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10282063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 肇 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (10312571)
和田 裕子 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (70302130)
玉井 信 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90004720)
板橋 俊隆 東北大学, 医学部附属病院, 医員
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Keywords | ロービジョン / 視機能評価 / 緑内障 / 糖尿病網膜症 / 網膜色素変性 |
Research Abstract |
光覚測定装置LoVE(Low Vision Evaluator)により、本研究期間中に以下の知見が得られた。 1)ゴールドマン視野検査で湖崎分類Vb以上に相当する末期緑内障患者において、LoVEによる測定結果と残存視野立体角(ステラジアン)が強い相関を持つことが確認された。また中心視野に一部欠損の及んだ緑内障患者においては、ハンフリー視野検査の中心視野閾値と青色光を用いたLoVEの測定結果が相関することが示された。以上より緑内障患者の視機能評価においても本装置が有用であることが明らかとなった。 2)小児の検査を目的とし従来型より小型の発光用ゴーグルを開発した。3才から12才までの小児を対象として検査を行い、これにより概ね4歳以上の小児で測定行った場合、再現性のある結果が得られることが判明した。従来の視力や視野検査の難しい小児においても本装置の測定は可能であることが示された。 3)硝子体出血を伴った視力手動弁または光覚弁の増殖性糖尿病網膜症患者において、網膜電図のa波およびb波振幅が、LoVEの測定結果と相関することが示された。中間透光体の混濁により眼底の透見が困難な症例においても、LoVEを用いることにより簡便に網膜機能を評価できることが示された。 これらの結果から、これまで示した網膜色素変性の視機能評価のみならず、様々な眼疾患においてその機能評価に有用であることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 秋山博, 中川陽一, 高橋佳奈, 和田裕子, 玉井信: "Low Vision Evaluator(LoVE)による周辺部残存視野の評価"臨床眼科. 56・8. 1377-1381 (2002)
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[Publications] 高橋佳奈, 中川陽一, 桑原創一郎, 布施昇男, 秋山博, 中澤徹, 玉井信: "欠損が中心視野に及んだ末期緑内障患者の色光を用いたLow Vision Evaluatorによる視機能評価"臨床眼科. 57(掲載号未定). (2003)
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[Publications] 板橋俊隆, 國方彦志, 中川陽一, 和田裕子, 佐藤肇, 川村后幸, 西郷陽子, 太田五月, 遠藤五月, 玉井信: "LoVEを用いた小児の視機能評価"厚生労働省特定疾患 網膜脈絡膜・視神経萎縮症調査研究班 平成14年度報告書. (印刷中). (2003)