2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13671823
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
天野 史郎 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (80193027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加賀谷 文絵 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40311617)
大鹿 哲郎 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (90194133)
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Keywords | 角膜 / 角膜移植 / 人工角膜 / 角膜内皮細胞 / ティッシュ・エンジニアリング |
Research Abstract |
我々は、培養したヒト角膜内皮細胞(human corneal endothelial cell=HCEC)を用いた角膜移植術の可能性について検討した。一定の培地、培養皿のコーティングを用いることでHCECを継代培養することに成功した。内皮細胞を剥がしたヒト角膜のデスメ膜上に培養HCECを撒き、軽く遠心して2000-2500cells/mm^2の細胞密度を実現した。この再構築角膜の内皮細胞のポンプ機能をウッシング・チャシバーで検討したところ、正常角膜の50-70%のポンプ機能を有することが確認された。ヌードマウス、白色家兎のいずれに対する再構築角膜移植においても、術後、培養HCECが移植片上に保たれ、角膜の透明性が維持された。代替角膜実質としてブタ角膜実質と人工実質について検討した。ブタ角膜では、異種移植時の超急性拒絶皮応の原因となる異種糖鎖抗原α-galエピトープがほとんど発現していなかった。ヒトと同様にα-Galエピトープへの自然抗体を有するカニクイサルの角膜層間にブタ角膜実質を移植した所、拒絶反応は起きず、術後6ヶ月間にわたって角膜の透明性が保たれた。ブタ角膜実質とHCECで再構築した角膜は2000-2500cells/mm^2の細胞密度を有し、正常角膜の50-70%のポンプ機能を持っていた。培養角膜内皮細胞を前房内に投与してデスメ膜に接着させる方法を検討した。Spherical iron powderを貧食させた培養家兎角膜内皮細胞をDiIラベルし、クライオによる角膜内皮傷害後の家兎前房内に投与した後、眼瞼上にネオジウム磁石を24時間置いた所、デスメ膜上に多数のDiIラベルされた細胞が観察され、コントロール群よりも早期に角膜浮腫が改善した。術後眼圧上昇は見られなかった。
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