2002 Fiscal Year Annual Research Report
新しい緑内障治療法開発を目的としたMuller細胞の網膜神経保護機能に関する研究
Project/Area Number |
13671825
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 康之 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80196881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国松 志保 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80301563)
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Keywords | Muller細胞 / 低酸素 / 高圧 / 神経栄養因子 / NO / NOS / ベタキソロール / イガニジピン |
Research Abstract |
前年度に行った研究をさらに発展させ、網膜神経細胞死へのMuller細胞の関与に関してより詳細な検討を行った。まず、低酸素ストレスのrat培養Muller細胞に対する影響に関して、昨年度よりもより長期の変化を解析した。その結果、2時間の低酸素下培養(5%O_2)で低下したBDNF, CNTF, GDNF等の神経栄養因子のメッセンジャーRNA発現は、低酸素から通常の培養環境に戻すことにより徐々に元に戻るだけでなく、さらに発現が上昇し、コントロールよりも有意に高くなるという変化を示した。 また、緑内障における網膜神経節細胞障害のMuller細胞の関与を検討する目的で、上記と同様に分離培養したrat培養Muller細胞を高圧ストレスと加え神経栄養因子の発現を検討した。その結果は、低酸素刺激と同様で高圧ストレスにより神経栄養因子の発現はG3PDHに比較して低下し、その程度は低酸素から通常の培養環境に戻すことにより徐々に元に戻るという変化を示した。さらに、高圧ストレス下においてのNOSおよびNOの変化についても検討したところ、NOS-2mRNA発現およびNOの産生が増加するという結果を得た。 一方、同細胞に薬剤負荷を行った結果、ベタキソロールおよびイガニジピンの添加によりBDNF, CNTFの発現増加を認めた。 以上の結果は低酸素および高圧ストレスはMuller細胞より分泌される神経栄養因子の発現を変化させ、網膜神経細胞死に間接的に関与していることが明らかになり、また、いくつかの薬剤はMuller細胞より分泌される神経栄養因子の発現を増加させることにより網膜神経細胞に対して神経保護作用を持つことが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)