2001 Fiscal Year Annual Research Report
癌関連網膜症に関与する網膜特異抗原遺伝子の生理機能と発症機構に関する研究
Project/Area Number |
13671829
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
菊池 孝信 信州大学, 機器分析センター, 助教授 (50177797)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 浩一 信州大学, 医学部, 講師 (70262730)
吉村 長久 信州大学, 医学部, 教授 (70211662)
|
Keywords | 癌関連網膜症 / PTBLP遺伝子 / RNA結合タンパク / 自己抗体 |
Research Abstract |
癌関連網膜症に関与する網膜特異抗原遺伝子(PTBLP)の機能解析を行った。 (1)患者血清のPTBLPに対する認識部位の検索 PTBLPのcDNAを大腸菌発現ベクターに組み込み、PTBLPの組み換えタンパクを作成した。Western blot法によりこのタンパクを用いて、患者血清の認識部位を検索した。患者血清はPTBLPのC-末端部分にある4番目のRNA認識ドメインを認識した。さらに、抗原決定部位を同定するために、この領域のアミノ酸配列をもとにペプチドを合成して、免疫学的手法を用いて検討した。RNA認識ドメインのアルファヘリクス部分に認識部位が局在していた。他の腫瘍随伴神経症の抗原として知られるHuDの抗原決定部位の局在と類似していた。 (2)PTBLP遺伝子の生理機能を解析 神経系培養細胞PC12株を用いてNGFによる神経分化との関連などについて分子生物学および細胞生物学的検討を行った。PTBLPの過剰発現は神経分化を抑制した。 (3)PTBLP遺伝子プロモーターの解析 PC12細胞およびCOS7細胞を用いて、PTBLPプロモーター領域の解析を行った。プロモーター活性はルシフェラーゼ測定法を用いた。-100bpまでに強いbasalプロモーター活性が存在する、-500bpに神経細胞特異的プロモーター活性が存在することが明らかになった。 (4)PTBLP遺伝子を欠失したマウスの作成 ノックアウトマウス作成のため、ベクターDNAを作製した。このDNAをマウスES細胞に導入し、相同組み換えしたESクローンを単離した。現在は、キメラマウスの作製を行っている。
|
Research Products
(1 results)