2002 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学手法を用いた角膜真菌症迅速診断法の開発と治療指針の作成
Project/Area Number |
13671841
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
塩田 洋 徳島大学, 医学部, 教授 (20035736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秦 聡 徳島大学, 医学部附属病院, 助手 (50343306)
四宮 加容 徳島大学, 医学部, 助手 (80322262)
江口 洋 徳島大学, 医学部附属病院, 助手 (30314868)
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Keywords | 角膜真菌症 / 遺伝子診断 / ゲノム / PCR / PCR-SSCP / カンジダ / フザリウム |
Research Abstract |
角膜真菌症は,早期に診断を下し早期に治療を開始する必要がある。しかし現実には診断に苦慮し,薬剤感受性試験には3-4週間を要している。我々は分子生物学的手法を用い,昨年in vitroのレベルにおいて,角膜真菌症迅速診断法を開発した。今回はそれを動物実験および臨床例というin vivoのレベルにおいて確かめ,従来の診断法と比較検討してみた。 1)動物実験:家兎の角膜実質にCandida albicansを接種して角膜真菌症を発症させた。臨床経過を観察しながら適時角膜病巣部を擦過して,サブロー寒天培地に真菌分離を試みると共に,グラム染色ならびに我々がpolymerase chain reaction (PCR)法を応用して開発した迅速診断法を行った。その結果,PCR法による診断が最も鋭敏で,しかも1日で判定出来た。真菌分離による陽性率は,分離の判定日によって少し異なったが,2週間後の判定ではPCR法による陽性率の半分以下であった。グラム染色による真菌陽性率はさらに劣った。 2)臨床試験:臨床的に角膜真菌症が疑われた2名の患者から,インフォームドコンセントを得た後に角膜病巣部を擦過して上記と同様な検査を行った。1名の患者は全ての検査において真菌陽性であった。PCR法による種同定を試みたが,フザリウムでもカンジダでもなく,専門家の同定結果でも同定不能という返事がかえって来た。もう1名の患者は,全ての検査において真菌陰性であり,後日角膜カルシウム沈着症と診断した。 In vivoのレベルに於いても,我々の角膜真菌症迅速診断法が有用であることが判明した。
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Research Products
(1 results)