2002 Fiscal Year Annual Research Report
眼球形態形成過程におけるアポトーシス制御因子の意義の解明
Project/Area Number |
13671848
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Research Institution | NAGOYA CITY UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松永 紀子 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20315906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小椋 祐一郎 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70191963)
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Keywords | 眼先天異常 / アポトーシス / アペトシース制御因子 / 水晶体発生 / TUNEL法 / 催奇形因子 |
Research Abstract |
従来から我々は、眼正常発生過程の観察を行うとともに、眼先天異常の成立機序解明を試み、妊娠マウスに催奇形性因子を投与することにより各種ヒト眼先天異常の実験モデルマウスの作成を行ってきた。そして研究過程において、眼球の正常発生過程および先天異常成立過程には、アポトーシスが強く関与していることに着目してきた。水晶体胞の表面外胚葉からの分離、胎生裂の閉鎖、眼杯前縁部および胎生裂を通じて硝子体腔に侵入する第1次硝子体成分の退縮にアポトーシスが必須であると考えられ、今回研究の前半ではマウス正常眼球発生過程におけるアポトーシス細胞とそれを制御する各種アポトーシス制御因子の意義の解明を試みた。妊娠9〜15日のC57BL/6NJCLマウスを屠殺し胎仔を取りだし、光学顕微鏡で観察した。アポトーシスの検出にはApotosis in situ detection kitを用い,terminaldeoxynucleotidyl transferase(TdT)-mediated deoxy uridine triphosphate(dUTP)-biotin nick end labeling(TUNEL)法を行い、その後、ヘマトキシリンあるいはメチルグリーン液で、核染色を行った。水晶体から水晶体窩、さらに水晶体胞へと嵌入する際に表面外胚葉の嵌入部遠位端にアポトーシスが観察された。 また眼先天異常は、実験モデル作成が困難で、現在まで基礎的研究は少なかった。今回研究の後半では、ヒト眼先天異常の実験モデルをその仔胎マウスに成立させた。実験動物にはC57BL/6NJCLマウスを用い、催奇形因子としてトランス型レチノイン酸、エタノール、ochratoxin Aを投与した。妊娠7日の母獣の腹腔内に、催奇形因子を注射し妊娠18日に母獣を屠殺して胎仔を取りだし光学的顕微鏡で観察した。マウスの死亡率は催奇形因子投与群、対象群で有意差は認められなかった。今回の研究では、低い死亡率で臨床的眼先天異常に相当するマウス実験モデルを作成することができた。
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Research Products
(1 results)