2003 Fiscal Year Annual Research Report
高カロリー輸液施行時におけるimmunomodulatorの効果
Project/Area Number |
13671871
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Research Institution | Dokkyo University School of Medicine |
Principal Investigator |
土岡 丘 獨協医科大学, 医学部, 講師 (30188560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 利男 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (70133345)
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Keywords | 高カロリー輸液 / immunomodulation / bacterial translocation / タウリン / グルタミン酸 / エンドトキシン |
Research Abstract |
近年immunomodulationの概念よりいくつかの物質が注目されている。我々はタウリンに注目し、グルタミン酸とタウリンとを同時に投与し、腸粘膜萎縮の改善の程度、Bacterial translocationの抑制、免疫能の状態、さらに侵襲時の重要臓器の障害の軽減に関し検討した。5週齢雄性S-D系ラットで5日間の高カロリー輸液実験を施行した。グルタミン酸を含有した市販のもの、これにタウリン(500mg/kg/day)を添加しグルタミン酸とタウリンを含有した組成のものを作成した。また対照群として経口摂取群を作成した。つぎに5日間の経口摂取、輸液終了後、LPSを腹腔内投与し腹膜炎を発症させた。エンドトキシンおよびサイトカイン濃度を測定した。同時に末梢血リンパ球のTh細胞をフローサイトメトリーにより解析し免疫能の変動を検討した。さらに小腸、肝、肺の病理組織学的検索を施行した。 グルタミン酸とタウリンを添加した高カロリー輸液群では通常組成の高カロリー輸液群に対し(1)小腸粘膜厚および絨毛高は改善を認めた。(2)血漿および小腸のタウリン濃度の上昇を認め、小腸組織のシトルリン濃度も回復していた。(3)肝および肺組織において接着分子であるVCAM-1の増強は抑制され、トロンポモジュリン染色よりも肝微小循環の障害が抑制させていることが確認された。さらに腹膜炎発症時においても(1)血中IL-6濃度の増加が抑制されていた。(2)末梢血リンパ球内のIL-2の抑制が軽減していた。(3)肝のアポトーシス、VCAM-1の発現が減少した。肺のVCAM-1の発現が減少し浮腫、出血の程度が改善していた。 以上の結果、タウリンをグルタミン酸と同時に投与することにより、immunomodulatorとしての効果を十分に期待できると考える。
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