2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13671874
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐々木 了 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (40301907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 有平 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (70271674)
西平 順 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30189302)
杉原 平樹 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20002157)
横山 統一郎 北海道大学, 医学部・附属病院, 医員
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Keywords | マクロファージ遊走阻止因子 / トランスジェニックマウス / アポトーシス / 創傷治癒 / 細胞周期 |
Research Abstract |
MIFは、活性化T細胞から産生されマクロファージの遊走を阻止する因子として1966年に発見された最初のサイトカインであるにもかかわらず、いまなおその機能に不明な点が多いタンパク質である。我々は動物を用いた実験において、MIFが皮膚の創傷部位で発現が上昇しており、抗MIF抗体の投与によって治癒が遷延したことから、創傷治癒において重要な因子として機能していることを明らかとした。 そこで、MIFの機能をさらに追及するため、ICRマウスを用いてMIFの遺伝子を導入し過剰発現させたトランスジェニックマウスtransgenic mouse(以下Tgマウス)を作成した。MIFトランスジェニックマウスでは血清中のMIFが通常のマウスの5〜10倍の高濃度で存在することをELISA法にて確認した。また、Western blot法およびNorthern blot法を用いて、心臓、肝臓、腎臓、脾臓、そして皮膚におけるMIF蛋白およびMIFmRNAを同定した結果、いずれも過剰発現していることを確認した。 次に、Tgおよびnon-Tgの新生マウスより皮膚線維芽細胞の初代培養をexplant法にて行い、細胞増殖およびFas刺激によるアポトーシス誘導試験を行い比較した。その結果、細胞増殖には有意な差は認められなかったが、抗Fas抗体を用いたアポトーシス誘導では、Tgマウス由来線維芽細胞がnon-Tgマウス由来線維芽細胞に比し、耐性を示すことが分かった。 今後、MIFの過剰発現がFasのシグナル伝達系のどの部分に影響を与えているのかを、リン酸化を特異的に認識するモノクローナル抗体を用いたWestern blot法を用いて解析を進めていく予定である。
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