2001 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組み換えアデノウィルスを用いた端側吻合神経再生経路の研究
Project/Area Number |
13671878
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
柴田 実 新潟大学, 医学部・附属病院, 教授 (50196432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上出 利光 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (00160185)
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Keywords | 神経端側吻合 / アデノウィルスヴェクター / 神経再生 / 組み替え遺伝子 |
Research Abstract |
筋皮神経を切断し、同側正中、もしくは尺骨神経に端側吻合し、LacZ遺伝子組み換えアデノウイスを用い、神経端側縫合後の再生軸索の再生経路の検討を行った。 10週齢Wistar雄ラット84匹の左上腕神経叢を用い以下の二つの実験を行った。 I.コントロール実験(N=27):筋皮神経、正中神経及び尺骨神経の末梢からそれぞれウイルス導入し、各神経の支配髄節レベルを検索した。II.神経端側縫合実験:第1回手術:端側縫合モデルの作成(N=57)筋皮神経の分岐部より5mm遠位で切断。近位部の断端を大胸筋内に埋没し,遠位断端をドナーとし、レシピエントの正中神経(N=30)あるいは尺骨神経(N=27)に神経外膜を約1mm開窓して端側縫合を行った。結果:[染色性]全84匹中、軸索陽性染色は55匹で,染色率は61%であった。 実験1:各神経の軸索支配髄節は、ヒトの分布と一致していた。 実験2:同側神経を用いた神経吻合ではレシピエントとドナー神経間に腕神経叢内で解剖学的に交通枝があり、ドナー神経が端側吻合部まで伸びることが可能な場合はドナー神経を支配する神経細胞より再生線維がsproutingし、しかも、そのレベルは神経細胞か、あるいはその周辺であると考えられる。交通枝のない場合には端側吻合の近辺でレシピエントの線維からcollateral sproutingが起きると考えられ、これらはこれまで知られていなかった新しいレベルでのneurotropismの存在を示唆することが解った。 最も、最近の成果としてLacZ adenovirusとCTLA4 adenovirusを同時感染させるとLacZ adenovirusの感染率が飛躍的に増加することが判明した。現在、CTLA4蛋白線染色によるトレーシング、あるいはGFP adenovirusを用いた、double tracer法の検討、およびレザー顕微鏡下に神経細胞、後根神経節におけるsproutingを検索中である。
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