2002 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組み換えアデノウィルスを用いた端側吻合神経再生経路の研究
Project/Area Number |
13671878
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
柴田 実 新潟大学, 医学部附属病院, 教授 (50196432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上出 利光 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (00160185)
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Keywords | 神経端側吻合 / アデノウィルスヴェクター / 神経再生 / 組み換え遺伝子 |
Research Abstract |
われわれはこれまで、LacZ遺伝子を組み込んだアデノウィルスを末梢神経断端部より導入し、神経細胞とその軸索全長を追跡することが可能であることを示した。しかし、対象とする神経ごとに、染色のタイミングが違う可能性があるので、今回、ウイルス導入部位から神経細胞までの距離が3倍以上違う上肢正中神経モデルと下肢腰神経叢モデルを用いて染色至適時期を検討した。 Wister Rat 148匹を用い、正中神経、脛骨神経の二群を作成し、ウイルス導入、10時間から64日の間、22のことなる時点で全身潅流後に、標本を作製した。C5からTh1レベル、もしくはL3からL6レベルの脊髄を切り出し、50μm厚の切片でそれぞれ約3万枚のスライスを作成し、運動神経細胞を染色した。 末梢神経と後根神経節は一体に標本を作成し、後根神経節は50μm切片を作成し、細胞数をカウントした。末梢神経線維は実体顕微鏡下に一体標本で染色線維の程度を観察した。 脛骨の知覚神経細胞数と運動細胞数は正中神経のそれらに比べ、いずれも数が多かったが、これは脛骨神経の方が正中神経より太く、より多くの神経を含んでいることを反映していると考えられた。またいずれの神経も知覚神経細胞数は運動細胞の数より多い結果となっていた。脛骨神経の知覚神経細胞数と運動神経細胞数のピークは正中神経のそれらに比べ、後であり、ウイルス導入部位から神経細胞までの距離が長いことを反映していると考えられた。いずれの染色細胞も3週間前後には消退していた。末梢神経の結果、正中神経は感染12日前後に、脛骨神経では16日付近にピークがあった。 以上の結果をまとめると神経細胞の染色至適時期は4,5日目、末梢神経軸索全体の染色至適時期は正中神経で12日前後、脛骨神経で16日前後と考えられた。
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Research Products
(1 results)