2002 Fiscal Year Annual Research Report
P53アデノウイルスベクターによるケロイドの遺伝子治療に関する基礎的研究
Project/Area Number |
13671881
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
中岡 啓喜 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (30172266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 研志 愛媛大学, 医学部, 助手 (40294798)
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Keywords | ケロイド / 遺伝子治療 / アデノウイルスベクター / p53 |
Research Abstract |
p53 cDNAのcoding resionをPCR法で増幅し、pBluescriptに挿入した。シークエンスの確認後、p53 cDNAを適当な制限酵素で切り出し、平滑末端とした後にCOS配列を含んだpAxコスミドベクターに結合した。シークエンスで挿入方向の確認をした後に、EcoT221切断済みアデノウイルスDNA-TPCとともに293細胞にリポフェクション法でco-transfectし、COS-TPC法による相同組換えを行った。2週後に変性を起こした293細胞を回収し、DNAを抽出し、p53 cDNAのアデノウオルスヘの挿入を確認した(AxP53の完成)。大量に培養した,293細胞にAxp53を感染させ、変性293細胞を回収。凍結融解法によりアデノウィルス粒子を遊離させ、塩化セシウム密度勾配法にてウイルス液の精製、濃縮を行った。ごれにより10^9〜10^10PFU/mlのAxp53を得た。 日本白色家兎の耳介内側面で軟骨の露出する開放創を作製し、自然治癒させた。創は3週目頃より上皮化し、4週目頃にはケロイド類似の病変を生じ、約7週目までの間に自然消失した。4週目に採取した標本の病理組織所見では、真皮内に線維芽細胞の増殖、血管新生などの所見は見られたが、ケロイドに特徴的な膠原線維の増殖はほとんど見られず、肉芽組織に近い所見であった。 家兎の耳介内側面にケロイド類似病変を左右各2ヶ所、計4ヶ所作成し、1ヶ所は対照として、他の3ヶ所にはそれぞれ1×10^6、1×10^8、1×10^10PFU/mlのp53アデノウイルスベクターを局所注射した。対照部、アデノウイルスベクター注射部位は、1週目までにすべて潰瘍化し、病変の経過観察が不可能となった。家兎の耳介内側面の皮膚は極めて薄く、アデノウイルスベクターの作用で皮膚、皮下組織が壊死に陥ったと推測された。今後、濃度、投与量など再検討する必要性があると思われた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Yamasaki, K.: "SOCSI/JAB and SOCS3/CIS3 negatively regulate the STATs signaling pathway in normal human keratinocytes"J Invest Dermatol. (in press).
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[Publications] Yamasaki, K.: "Keretinocyte growth inhibition by high-dose epidermal growth factor is mediated by transforming growth factor β autoinhibition : A negative feedback mechanism for keratinocyte growh"J Invest Dermatol. (in press).
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[Publications] Tsuda, T.: "Lack of evidence for TARC/CCL17 production by normal human keratinocytes in vitro"J Dermatol Sci. (in press).
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[Publications] Sayama, K.: "Phosphatidyl inositol 3 kinase is a key regulator of early phase differentiation in keratinocytes"J Bio Chem. 277. 40390-40396 (2002)
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[Publications] Hanakawa, Y.: "Differrential effects of desmoglein 1 and desmoglein 3 on desmosome formation"J Invest Dermatol. 199. 1231-1236 (2002)
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[Publications] 中岡啓喜: "「四肢の形成手術」II. 下肢, 4. 腫瘍 1)良性腫瘍と色素性病変"形成外科. 45増刊号. 189-196 (2002)
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[Publications] 中岡啓喜: "皮膚科診療プラクティスシリーズ 15.難治性皮膚潰瘍を治すスキル I.皮膚潰瘍の基礎知識 5.Moist wound healingの考え方"文光堂.橋本公二, 滝川雅浩, 宮地良樹編著(印刷中).