2001 Fiscal Year Annual Research Report
マウス歯胚の分化過程における細胞膜シアリダーゼの局在
Project/Area Number |
13671892
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
秋田 博敏 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10108540)
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Keywords | 細胞膜シアリダーゼ / 歯胚・上皮 / トランスジェニックマウス / 免疫組織化学 / 透過型電子顕微鏡 |
Research Abstract |
(研究目的)動物由来のシアリダーゼの生物学的な役割を解明するため、その一環として歯胚の分化過程における細胞膜シアリダーゼの関わりを明らかにする。平成13年度は、ヒト本酵素のcDNAをマウスに導入し(トランスジェニックマウス)、その歯胚の分化過程を検討する目的で、ヒト本酵素に対するモノクローン抗体の特異性をウェスタンブロット法と免疫組織化学的手法により確認する。 (研究結果)まず、トランスジェニックマウスの組織のうち、本酵素が強く発現し、量も多く採取できるという理由から、骨格筋を試料とした。ウェスタンブロット法により2種のモノクローン抗体の特異性を証明した。免疫組織化学的手法によりその骨格筋組織を染色した。骨格筋における染色性は2種の抗体とも良好であった。電子顕微鏡下で、本酵素がその定義の如く遺伝子導入後も細胞膜に局在することを明らかにした。その局在は、細胞膜の中でも核に近接する部位に頻度が高い傾向を示した。光学顕微鏡下では、本酵素の発現量の変化を染色の濃淡として観察するため、抗体の標識化合物を検討した。その結果、蛍光標識に比べ西洋ワサビ過酸化酵素が適することがわかった。 (考察、結論)骨格筋組織における結果から、抗体の特異性を証明し、抗体による染色の至適条件を明らかにできた。来年度は研究課題の観察対象となる歯胚を試料として、本酵素の局在と、細胞分化に伴う酵素発現の変化を検討する。なお、本年度の研究実施計画では、当初、ワイルドマウスにおける本酵素の遺伝子発現を検討する予定であった。しかし、トランスジェニックマウスの利用が可能になったので、研究実施計画を一部変更し、遺伝子導入後のマウス歯胚を研究対象として、本研究課題の目的を達成することにした。
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