2002 Fiscal Year Annual Research Report
BMPシグナル抑制因子による間葉系幹細胞から骨格系細胞への分化過程の制御
Project/Area Number |
13671895
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
二藤 彰 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (00240747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 政樹 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (50231725)
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Keywords | 分化 / 骨 / BMP / 軟骨 |
Research Abstract |
(1)長管骨器官培養系における抑制分子の影響 前年度にはnoggin recombinant adenovirus(Ad/noggin)の作製を行い、それをC1細胞に強制発現させ、分化誘導を行うことで、nogginが軟骨分化選択的な制御因子として働く可能性を示した。そこで今年度はさらにIn vivoに近い環境下でも同様な効果が認められるか否か調べるために、器官培養系にけるnogginの影響を観察した。すなわちマウス胎児から155日胚の長管骨(上腕骨および大腿骨)原基を取り出し、nogginや他の抑制因子のアデノウイルスを濃縮して局所的に注入し、培養を続け内軟骨性骨化部位の軟骨と骨の成長を観察した。一匹の胎児から一組の長管骨をとりだし、片方にコントロールとしてLacZ遺伝子を、もう片方にnoggin遺伝子を強制発現させて成長を比較した。骨膜相当部における骨化の成長はコントロールと同様であったのに対し、軟骨での成長はnogginの強制発現によって著しく抑制された。さらに骨化部の成長に対してより有利な培養条件として、長管骨をトリ卵の奨尿膜上で成長させたが、nogginの強制発現によって軟骨部は成長を阻害されたが、骨化部はコントロールとかわらなかった。したがってC1細胞の場合と同様、軟骨の分化に対して選択的な影響が観察された。 (2)間葉系細胞の分化における他のBMPシグナル抑制因子の発現ならびに発現制御 現在までも、noggin以外にも多くのBMPシグナル抑制因子が報告されている。そのなかでchordin, tsg(twisted gastrulation), cerberusの発現が間葉系幹細胞C1並びに10T1/2において認められ、骨芽細胞への分化に伴い発現が上昇した。さらにそれらはBMPタンパクの添加により発現増強が認められ、多くのBMPシグナル抑制分子はリガンドからのシグナルによって発現の誘導が起こることが観察された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Asou Y, Nifuji A, Tsuji K, Shinomiya K, Olson EN, Koopman P, Noda M.: "Coordinated expression of scleraxis and Sox9 genes during embryonic development of tendons and cartilage"J Orthop Res.. 20(4). 827-833 (2002)