2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13671897
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
河野 芳朗 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60303129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 勇人 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70251824)
里方 一郎 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70170800)
前田 健康 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40183941)
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Keywords | Msx2 / ノックウアウトマウス / 発生 / エナメル芽細胞 / 星状網細胞 / 中間層細胞 / 免疫組織化学 / 器官培養 |
Research Abstract |
Msx遺伝子は器官形成において、多能性幹細胞に関連して発現し、発生時における細胞分化と増殖において重要な役割を果たすことが知られている。Msx2欠損マウスでは頭蓋骨の低形成、骨形成の異常、歯牙や毛胞などの上皮附属器の異常などが報告されている。本研究では、Msx2の歯牙形成における役割を、生後一日齢のMsx2欠損マウスと野生型マウスの表現型を、切歯形成の各段階において免疫組織学的、および、形態学的に比較し、さらに、生後、一日齢の切歯を器官培養法を用いて検討した。 その結果、Msx2欠損マウスの切歯の形態、大きさに異常は観察されなかった。また、切歯サービカルループ各細胞成分(星状網細胞、内エナメル上皮、外エナメル上皮、歯乳頭細胞)にも著名な表現型の違いはみられなかった。しかしながら、歯牙形成初期では中間層細胞に異常が観察された。歯牙形成中期では、細胞の分化が進むにつれて、表現型の異常が著名になった。また、細胞増殖活性にも、一部細胞成分に異常が観察され、また、各細胞成分のアルカリフォスファターゼの発現の強さにも異常が観察された。エナメル質の形成は、エナメルタンパクの分泌はみられたが、分泌量は少なかった。象牙芽細胞の分化に異常は観察されなかった。また、象牙質の形成にも異常は観察されなかった。器官培養実験では、中間層細胞と、エナメル芽細胞に、異常がみられたが、概ね、vivoと同様な異常が観察された。 結論として、Msx2遺伝子は歯牙の正常な発生に必須の遺伝子であることが示唆された。
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