2002 Fiscal Year Annual Research Report
骨細胞に特異的な酸性ホスホ蛋白質の遺伝子導入実験による機能解析
Project/Area Number |
13671898
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
豊澤 悟 大阪大学, 歯学研究科, 講師 (30243249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 誠康 大阪大学, 歯学研究科, 助教授 (90273698)
小守 壽文 大阪大学, 医学研究科, 助手 (00252677)
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Keywords | dentin matrix protein 1 / 骨細胞 / トランスジェニックマウス / 骨 / 歯 / 石灰化 |
Research Abstract |
骨や歯の非コラーゲン性基質の主要成分は酸性ホスホ蛋白質(acidic phosphoproteins)である。その1つであるdentin matrix protein 1(DMP1)は、そのアミノ酸配列から、組織中で高度なリン酸化を受けて負に荷電する事により、、石灰化に促進的に働くと考えられている。近年、我々は、DMP1遺伝子は骨細胞に発現し、骨芽細胞には発現しない事、その蛋白は骨細胞周囲の骨基質にのみ局在する事を実証し、DMP1は骨細胞に特異的な新しいタイプの基質蛋白質である事を報告した。そこで、DMP1遺伝子の骨における機能を解析するため、I型コラーゲン・プロモーターを利用したトランスジェニックマウスを作製した。DMP1遺伝子が骨芽細胞と象牙芽細胞に特異的に過剰発現している事を確認し、正常の5倍、および20倍のDMP1遺伝子発現量トランスジェニックマウスの長管骨を検討した。 pQCTの結果、5倍のDMP1遺伝子発現量のトランスジェニックマウスでは、皮質骨の骨密度が上昇し、20倍の発現量のものでは、皮質骨の骨密度に変化はなかった。また、X-rayやpQCTの結果、5倍および10倍の発現量の両トランスジェニックマウスの海面骨は著しく減少していた。そこで、骨吸収に関して破骨細胞の増減を検討したが、数には変化が見られなかった。さらに、Real-timePCRで、破骨細胞の分化促進因子であるRANKLや、抑制因子であるOPGレベルを検討したが、破骨細胞の分化誘導は抑制される結果を得た。また、主要な骨基質の産生に関してノーザン・ブロットを行ったが、骨基質の産生には変化は認められなかった。現在、骨組織形態計測やを検討し、DMP1遺伝子の骨における機能をさらに、解析中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 豊澤 悟: "Dentin matrix protein 1(DMP1) ; a new bone matrix"Tissue Engineering for Therapnic Vse. 6. 83-94 (2002)
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[Publications] 脇坂 聡: "Immunocytochemical localization of anion exchange"Biomedical Research. 23. 213-219 (2002)
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[Publications] 佐藤 秋絵: "Persistence of the heterozygosity in homozygous・・・"Genetics. 162. 1791-1803 (2003)
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[Publications] 豊澤 悟: "エナメル質の進化:アメロジェニンの分子進化から・・・"阪大歯学誌. 47. 11-23 (2002)