2001 Fiscal Year Annual Research Report
生体内で特異的に発現する歯周病細菌遺伝子の探索とその解析
Project/Area Number |
13671901
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
苔口 進 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10144776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新垣 隆資 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40294417)
井上 哲圭 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20223258)
福井 一博 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70034171)
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Keywords | 歯周病細菌 / 生体内発現 / Actinobacillus actinomycetemcomitans / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
病原細菌は生体内では様々な増殖環境(酸素濃度,栄養因子等)の変化に適応して増殖する。本研究は生体内で特異的に発現し,機能している遺伝子や蛋白を探索し,解析することを目的に行った。これまでの研究によって,生体内では病原細菌の増殖に不可欠である鉄の濃度が極端に少ないため,病原細菌は特殊な菌体蛋白を発現して鉄を獲得していることが明らかとなった。そこで,歯周病細菌Actinobacillus actinomycetemcomitans(Aa)の酸素濃度応答および鉄獲得系に着目して研究を進め,以下のような成果を得た。 1)Aaの鉄獲得系に関わる蛋白の発現を制御する転写制御蛋白遺伝子であるFerric Uptake Regulator Protein(Fur)遺伝子を単離し,その遺伝的解析を行った。Aaのfurは大腸菌fur欠損株の機能を補い,鉄濃度制限下で遺伝子発現が顕著であること等から,Aaにおいても鉄獲得系を制御することが明らかとなった。 2)Aaの増殖環境における酸素濃度に対する応答において重要なセンサー蛋白として明らかにしたactX遺伝子の上流領域の解析を進めた結果,細菌菌体内に鉄を蓄積するために重要な働きをするフェリチン蛋白をコードする遺伝子を見出した。この遺伝子は2つの類似するフェリチン蛋白が並列に並んで発現するというAaに特徴的なものであった。フェリチン蛋白の発現は好気培養の方がその発現が上昇することから,鉄の蓄積だけでなく,酸素毒性の軽減にも働く可能性が示唆された。 現在,AaのFur蛋白とフェリチン蛋白についてリコンビナント蛋白を精製し,結晶化してその立体構造解析を試みている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hirosue M., Kokeguchi S., Maeda H., et al.: "Characterization of Two Genes Encoding Ferritin-Like Protein in Actinobacillus actinomycetemcomitans"Microbiology and Immunology. 45・10. 721-727 (2001)
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[Publications] 苔口進, 前田博史, 村山洋二: "歯周病細菌の現状と細菌検査:歯周病細菌の診査・診断は歯周病治療にどんな変革をもたらすか"ザ・クインテッセンス. 20・11. 59-72 (2001)
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[Publications] 苔口進, 前田博史, 村山洋二: "歯周病医療における細菌検査のすすめ"the Quintessence YEAR BOOK 2001. 1・1. 79-86 (2001)
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[Publications] 片山知子, 大橋敏雄, 苔口進等: "0.04%グルコン酸クロルヘキシジン洗口剤の殺菌効果に関する研究"岡山歯学会雑誌. 20・1. 129-133 (2001)
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[Publications] 苔口進, 村山洋二: "プログレッシブテクニック臨床医のための歯周治療(石川烈, 山田了編)"永末書店(永末摩美). 227 (2001)