2002 Fiscal Year Annual Research Report
骨改造現象におけるオステオプロテジェリン発現、骨基質局在調節機構の解明
Project/Area Number |
13671903
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中村 浩彰 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (50227930)
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Keywords | オステオプロテジェリン / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 骨改造現象 / プロテオグリカン / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
本年度は、オステオプロテジェリン(OPG)の発現、骨基質局在機構を明らかにするために、細胞生物学的手法を用いて解析した。mRNA発現細胞についてはin situ hybridizationを試みたが、骨組織において特異的な陽性反応は見られなかった。骨基質局在調節機構についてはOPGがヘパリン結合性を有することからヘパラン硫酸、ケラタン硫酸、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸などのプロテオグリカン局在と免疫組織化学的に比較検討を行った結果、上記プロテオグリカンとの関連はないと思われた。骨基質タンパクの内OPG局在との類似性の見られるものはオステオポンチンであったことから、骨組織可溶性タンパクを用いた免疫沈降を行った。ペプチド抗体による免疫沈降ではOPGとオステオポンチンの共沈は認められず、両タンパクの関連を決定づけることはできなかった。また、GST-OPGを大腸菌に発現させたものの、封入体に組み込まれ可溶化が困難であったことから、プルダウンアッセイに用いることはできなかった。以上のように骨基質の酸性タンパクであるオステオポンチンは荷電によりOPGと結合する可能性が強いものの、骨基質内局在調節機構における関連を明らかにすることはできなかった。しかしながら、本科学研究補助金によりJournal of Histochemistry and Cytochemistryに報告することができ、骨基質内局在の機構については今後も研究を進めていく必要があると思われる。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Nakamura, H.et al.: "Localization of osteoprotegerin (OPG) on bone surface and cement lines in rat tibia"J.Histochem.Cytochem.. 50(7). 945-953 (2002)
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[Publications] Nakamura, H.et al.: "The role of Osteoclast extracellular signal-regulated kinase (ERK) in cell survival and maintenance or cell-polarity"J.Bone Miner.Res.. 17(in press). (2003)
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[Publications] 中村浩彰, 山本敏男: "骨芽細胞と破骨細胞の相互作用"CLINICAL CALCIUM. 13(in press). (2003)
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[Publications] 中村浩彰 他: "破骨細胞におけるMAPkinase系ERKに関する形態学的解析"Acta Anatomica Nipponica. 77(1). 34 (2002)
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[Publications] 中村浩彰 他: "破骨細胞のExtracellular signal regulated kinase (ERK)に関する形態学的解析"日本骨代謝学会 プログラム抄録集. 101 (2002)
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[Publications] 辻 岳人, 中村浩彰 他: "四肢短縮小人症Ellis-van Cleveled症候群の遺伝子であるEVC遺伝子の軟骨細胞における発現"日本骨代謝学会 プログラム抄録集. 112 (2002)
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[Publications] 香川智正, 中村浩彰 他: "ラット頭蓋骨骨延長モデルの確立と骨形成過程の組織学的研究"日本骨代謝学会 プログラム抄録集. 154 (2002)
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[Publications] 中村浩彰 他: "エナメル芽細胞におけるExtracellular signal-regulated kinase (ERK)に関する形態学的研究"歯基礎誌. 44(5). 70 (2002)
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[Publications] 仲田直樹, 中村浩彰 他: "骨芽細胞と破骨細胞の相互作用"歯基礎誌. 44(5). 89 (2002)