2003 Fiscal Year Annual Research Report
口腔連鎖球菌不溶性グルカン合成酵素のドメイン間相互作用の解析
Project/Area Number |
13671904
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
福井 一博 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70034171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苔口 進 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10144776)
新垣 隆資 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40294417)
井上 哲圭 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20223258)
児玉 孝雄 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (30034200)
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Keywords | 不溶性グルカン合成酵素 / 口腔連鎖球菌 / ドメイン間相互作用 / デキストラン結合ドメイン / GTF-I / Streptococcus sobrinus / 触媒ドメイン |
Research Abstract |
口腔連鎖球菌Streptococcus sobrinus6715株の不溶性グルカン合成酵素はN末側の触媒ドメイン(GS)とC末側のデキストラン結合ドメイン(DXB)から構成されている。DXBドメインはリピートユニットが6つ連なった構造をとっている。本年度は,GSドメインのC端側に,DXBドメインのリピートユニットを段階的に付加したタンパク質,GS-2R, GS-3R, GS-3.5R, GS-4R, GS-5R, GS-6R,およびGSとDXBのドメインの位置を逆にした6R-GSの発現系を構築し,それらのタンパク質を精製した。CD遠紫外領域でのスペクトルでは,GS-2Rと他のタンパク質との間に明らかな違いが観察されことから,GS-2RではDXBドメインの構造が未形成であることが予想され,このこととGS-2Rでのデキストラン結合能が検出されないこととの関連性が示唆された。デキストランT2000存在下でのグルコシル基転移活性は,GS-4R, GS-5R, GS-6Rが高い活性を示すグループに分けられ,GS, GS-2R, GS-3R, GS-3.5R,6R-GSは低い活性を示すグループに分けられた。DXBドメインのアミノ酸配列を改めて分析した結果,高い活性を示すグループに新たなリピート構造を見出し,これをBリピートとした。従来からのAリピート部分がデキストラン結合に機能するのに対して,このBリピート部分こそがGSとDXBのドメイン間相互作用に関与し,その結果としてデキストランによる酵素活性化に機能している可能性が示唆された。
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