2001 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原細菌の細胞内感染メカニズムを応用した歯周病発症の予防法の開発
Project/Area Number |
13671932
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
小関 健由 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (80291128)
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Keywords | 歯周病疾患 / 細胞内感染 / アポトーシス / Actinobacillus actinomycetemcomitans / Legionella pneumophila |
Research Abstract |
好気下で生育できる歯周病原性細菌のActinobacillus actinomycetemcomitansは、健康な歯肉溝にて増殖可能な事から、歯周疾患の発症に直接関わる極めて重要な病原因子と考えられる。よってこの菌の歯周組織破壊のメカニズムを詳細に検索することは、歯周疾患の発症予防と再発防止を考える上に極めて重要である。我々はA.actinomycetemcomitansが細胞内に感染して感染細胞をアポトーシスに誘導するメカニズムについて解析してきたが、今回の研究事業では、医科の重要な感染症の細胞内感染病原微生物、特にLegionella pneumophilaの感染実験系をモデルとして、感染細胞のアポトーシスのシグナルを解析した。この実験に先立って、アポトーシスのメカニズムの解析に重要であるアポトーシス阻害タンパク質Bcl-2及びBcl-XLを形質転換したマウスマクロファージ細胞株RAW264.7細胞を2株づつ樹立した。さらに、ヒト腎上皮細胞株293T細胞においては、細胞内シグナル経路を検索するために有効な手段として蛋白質強発現実験系を構築するための条件決めを行い、さらにこの細胞のA.actinomycetemcomitansの感染実験を組み合わせて、新たな細胞内シグナル解析用の感染実験系を確立した。現在では、A.actinomycetemcomitans の細胞内感染によるアポトーシス発生メカニズムに近似しているLegionellaの感染に重要視されているアポトーシス抑制タンパク質に焦点を当て、この蛋白質の変異蛋白質を導入した形質転換株を293T細胞にて製作し、この形質転換株の性状を検索している。これらの成果を元に、さらに次年度の細胞内シグナルの解析を実行して行けば、A.actinomycetemcomitansの細胞内感染のメカニズムとアポトーシスの誘導の詳細が解明される事となる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Sato, T., et al.: "p53-independent expression of p21 (CIP1/WAF1) in plasmacytic cells during G(2) cell cycle arrest induced by Actinobacillus actinomycetemcomitans cytolethal distending toxin"Infection and Immunity. 70. 534-582 (2002)
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[Publications] Koseki, T., et al.: "Role of TGF-beta family in osteoclastogenesis induced by RANKL"Cellular Signalling. 14. 31-36 (2002)
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[Publications] Yamato, K., et al.: "Activation of the p21 (CIP1/WAF1) promoter by bone morphogenetic protein-2 in mouse B lineage cells"Oncogene. 20. 4383-4392 (2001)
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[Publications] Murase, Y., et al.: "Possible involvement of protein kinases and Smad2 signaling pathways on osteoclast differentiation enhanced by activin A"Journal of Cell Physiology. 188. 236-242 (2001)