2003 Fiscal Year Annual Research Report
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13671960
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
北村 憲司 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (30112345)
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Keywords | Vincristine / 疼痛 / 鎮痛 / 電位依存性Caチャネル / N型Caチャネル / P / Q型Caチャネル / モルヒネ / 知覚過敏 |
Research Abstract |
種々の発痛物質による末梢性疼痛は脊髄後角部のシナプス部で電位依存性Caチャネル依存性の伝達が行われ、関与する電位依存性Caチャネルが刺激によって異なるという発痛物質特異的な伝達を行うことを見いだした。同様な結果は、知覚過敏症においても認められ、STZ誘発糖尿病性知覚過敏においてはP/Q型チャネル遮断薬で特異的に抑制されたが、N型およびL型チャネル遮断薬では効果が認められなかった。そこで、知覚過敏誘発物質としてvincristineを用いて同様な実験を行い、以下の結果を得た。STZ誘発知覚過敏と同様、vincristine誘発知覚過敏も圧刺激による疼痛感受性を亢進したが、熱刺激に対する疼痛感受性には影響しなかった。しかし、STZ誘発知覚過敏と異なり、vincristine誘発知覚過敏ではN型Caチャネルが関与し、P/Q型およびL型チャネルの関与は認められなかった。一方、モルヒネはこうした知覚過敏に対して特異的な鎮痛増強作用は起こらなかった。STZおよびvincristine誘発知覚過敏は圧刺激による疼痛に対して認められ、熱刺激に対する疼痛では起こらないことから、薬物誘発性知覚過敏は二次的に特定の電位依存性Caチャネルを介した特定の神経経路の感受性亢進によるものと推測できる。また、本研究により、それ自身では鎮痛効果が認められない低用量の神経型Caチャネル遮断薬でもモルヒネの鎮痛効果を増強することがわかった。以上の結果から、疼痛伝達において刺激特異的な電位依存性Caチャネルを介する経路が脊髄後角部に存在し、モルヒネによる疼痛制御機構と独立して疼痛制御を行っており、両機構の抑制は鎮痛効果を相乗的に増加させると考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] FUKUIZUMI, T., OHKUBO, T., KITAMURA, K.: "Spinal sensitization mechanism in vinceistine-induced hyperalgesia in mice."Neuroscience Letters. 343. 89-92 (2003)
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[Publications] FUKUIZUMI, T., OHKUBO, T., KITAMURA, K.: "Spinally delivered N-, P/Q- and L-type Ca^<2+> channel blockers potentiate morphine analgesia in mice."life Sciences. 73. 2873-2881 (2003)
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[Publications] KATO, K., WAKAMORI, M., MORI, Y., IMOTO, K., KITAMURA, K.: "Inhibitory effects of cilnidipine on peripheral and brain N-type Cap^<2+> channels expressed in BHK cells."Neuropharmacology. 42. 1099-1108 (2003)