2003 Fiscal Year Annual Research Report
超音波装置を用いた口腔咽頭期嚥下障害患者の簡易スクリーニング法の確立
Project/Area Number |
13671966
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
内藤 久美子 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (10155632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 明 広島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70243582)
大塚 昌彦 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20233182)
長崎 信一(山田 信一) 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (10263724)
谷本 啓二 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10116626)
末井 良和 広島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10206378)
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Keywords | 携帯型超音波装置 / 嚥下 |
Research Abstract |
本年度は携帯型超音波装置を用いて,舌と軟口蓋による食塊が困難な摂食・嚥下障害を持つ患者でよく観察される,早期咽頭流入について超音波画像の同定の検討を行った。すなわち,超音波画像において早期咽頭流入を同定するために,携帯型超音波装置とVF装置を用いて嚥下動作を同期させて記録した。嚥下することなく咽頭内に液体を流入させることのできたボランティア5人について撮影を行った。昨年同定に至らなかった喉頭蓋谷は超音波装置により4人について観察可能であった。また喉頭蓋谷に残留した造影剤については,量が増えると3人ついては観察できた。観察できない理由は舌骨による後方散乱によるものであった。早期咽頭流入の一つは食塊形成時に舌と軟口蓋の接触部立から造影剤が咽頭に流入するので,舌と軟口蓋の接触部位の同定を行った。超音波装置を用いる嚥下の検査において,軟口蓋の描出は解剖的構造で不可能であるが,VFによる画像情報により舌の形態よりその接触部位を推定することは可能であった。しかしながら,早期咽頭流入については少量では超音波画像では検出が困難であった。これは舌の矢状正中方向だけはなく,矢状方向で左右側方(口腔底を含む)でも同じであった。むしろ喉頭蓋谷に残留した造影剤より逆に早期咽頭流入を推定することが可能であった。 したがって,早期咽頭流入のVFにおける診断基準を用いたら,超音波画像では診断は困難であるが,喉頭蓋谷の造影剤より,推測可能であることが示唆された。
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