2001 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞関連生物学的因子の解析に基づいた、口腔癌増殖に伴う顎骨破壊機序の解明
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13671976
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
伊東 博司 奥羽大学, 歯学部, 講師 (20184682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 淳子 奥羽大学, 歯学部, 助手 (80316471)
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Keywords | 口腔癌 / 顎骨 / 骨破壊 / 4NQO / 破骨細胞 |
Research Abstract |
本年度ではまず、予備実験である「シクロオキシゲナーゼ阻害剤による口蓋発癌抑制実験」について、交付科学研究費で購入された画像処理ソフトウェアを用いて数量的データーを算出して、第60回日本癌学会総会において発表し、今回の実験で行うラット口腔発癌惹起の方法の有効性、すなわち、20ppm4ニトロキノリン1オキサイド水溶液を飲料水として投与する我々の口腔癌誘発方法では、顎骨破壊を伴う口腔癌が、20ppm4ニトロキノリン1オキサイド水溶液を飲料水として投与されたラットの60%に発生することを確認した。それに基づき平成13年10月より、13頭のF344ラットを用いて、20ppm濃度の4ニトロキノリン1オキサイド水溶液を飲料水として投与する口腔発癌実験を開始した。すでに、実験開始から15週以上が経過し、一部のラットには体重増加停止・血液の混じった唾液の流失など口腔癌発生の兆候が認められている。この発癌実験で生じた口腔癌は次年度で行う、免疫不全マウスへの移植実験ならびにラット口腔癌由来培養細胞株確立のための細胞培養に用いる予定である。また、細胞培養を行うために、既存設備の点検・整備を行うとともに細胞培養に必要な器材および試薬・血清などを購入し、ラット口腔上皮細胞およびラット歯肉線維芽細胞ならびにヒト口腔癌由来細胞の培養を今年度内に開始する準備を整えた。来年度においてはさらに、マウス口腔癌誘発実験も行う予定である。これは、マウス由来細胞を解析するための市販薬剤・市販抗体の数が、ラット由来細胞を解析するためのそれら薬剤・抗体の数よりも多いので、マウス由来口腔癌細胞株を樹立すれば、ラット由来口腔癌細胞の解析よりも精細な解析をマウス由来口腔癌培養細胞に対して行えるからである。
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