2001 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原菌定着因子のリガンド相互作用解析に基づいた病態の解明
Project/Area Number |
13671982
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
柴田 恭子 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (90133438)
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Keywords | ヒト型モノクローナル抗体 / 歯周病 / 赤血球凝集因子 / Porphyromonas gingivalis / ゼノマウス |
Research Abstract |
本年度は、抗体と抗原の結合動態を研究するための材料として、P. gingivalisのヘマグルチニンに対するモノクローナル抗体(ヒト型)の作製を行った。すでにクローニングを行い諸性質について解明した130kDa hemagglutinin domain;130k-HMGDを大腸菌に発現させ、プレパラティブ電気泳動ゲルによって高度に精製した組換え標品を用いて行った。 1.EBVによる不死化を利用した方法: インフォームド・コンセントを取ったボランティアから血液を採取し、抗体産生細胞をEBVにより不死化した。精製130k-HMGDを用いてELISAにより、130k-HMGD認識抗体作製クローンを選別した。この抗体は、P. gingivalisのヘマグルチニン活性を抑制したが、マウスに免疫して得たモノクローナル抗体とは一部異なる性質を示した。このことから、この患者血液中に存在する抗体の真の抗原を明らかにすることを計画中である。 2.P. gingivalisのヘマグルチニンに対するヒト型抗体の作製 精製130k-HMGDをヒト型抗体遺伝子トランスジェニックマウスに免疫(2週間)し、脾臓を採取し、ミエローマ細胞と融合させ、ハイブリドーマ細胞を作製した。ELISAにより一次スクリーニングを行い、続けて、limited dilution法によって単一クローンを分離した。ELISAおよびWestern-blot解析により、抗原を認識するクローン19個を選択し、Low IgGウシ胎児血清を含む培養液にて培養を行った。これらのクローンは全て、P. gingivalis hemgglutinin domain認識抗体に特徴的な43,49kDaバンドを認識していた。さらに、P. gingivalis vesicleのヘマグルチニン活性の抑制実験を行った結旺、本活性を強く抑制する1クローンを得ることに成功した。 以上、歯周病患者血液中に存在する抗体実験的に作製したヒト型モノクローナル抗体の作製に成功したことから、これらの抗体と抗原との結合・交差反応を検討する計画である。
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