2003 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原菌定着因子のリガンド相互作用解析に基づいた病態の解明
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13671982
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
柴田 恭子 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (90133438)
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Keywords | Porphyromonas gingivalis / Xeno mouse / transchromo-mouse / 赤血球凝集因子 / 歯周病病原因子 / ヘミン結合活性 / ヒト型抗体 |
Research Abstract |
成人性歯周炎の主要原因菌P.gingivalisの口腔内定着因子として重要なヘマグルチニン、共凝集因子を標的とした組換え抗体やヒト型抗体の作製を試み、受動免疫療法の実現を目指した。原因菌定着に関わる分子について、機能に関わる分子構造を推測し、立体構造に基づいた分子間機能を明らかにすることを目的として実験を行った。 1.Xenomouseによるヒト型抗体は、P.gingivalisの赤血球凝集活性を抑制した。ビアコアを使い、抗原に対して結合能が高く解離の弱い株をスクリーニングし、より効力の強い抗体産生株を選択する重要性を示唆した。 2.Transchromomouseを用いて、40-kDa OMPに対して数種の異なった部位を認識するヒト型モノクローナル抗体を得た。共凝集活性を抑制する抗体、ヘミン結合を抑制する抗体、オプソニン効果を抑制する抗体などが得られ、40-kDa OMPのマルチ機能は,分子の機能部位の違いによる可能性が示唆された。 3.2で得られた抗体中、解離の全くない抗体は、40-kDa OMPのチオレドキシンのCys残基を認識することが、分子のCysをSerあるいはAlaに変換した分子を使った解析から不唆された。 4.40-kDa OMPはヘミン結合タンパク質であることから、P.gingivalisの生存におけるヘミン分子の機能を酸素抵抗性と推測し、酸素ストレス下でのプロテオーム解析を行った結果、Heat shock proteins (HSPs)、その関連分子群が変動していた結果が得られた。 本年度計画として、歯周病患者の切除試料を二次元電気泳動展開し、P.gingivalis抗体に強く反応するヒト試料中の分子の同定を挙げたが、現在、泳動条件等の検討を行っている。(HSPs分子にその傾向が見られたが、詳細については探索中である)
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Shiroza, T.: "Production of a single-chain variable fraction capable of inhibiting the Streptococcus mutants glucosyltransferase in Bacillus brevis. Construction of a chimeric shuttle plasmid secretings its gene product."Biochimica Biophysica Acta. 1626. 57-64 (2003)
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[Publications] Tsurumi, Y.: "Production of antibody against a synthetic peptide of Porphyromonas gingivalis 40-kDa outer membrane protein."Journal of Oral Science. 45(2). 111-116 (2003)
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[Publications] Yamada, K.: "Identification of the functional domain in a coaggregation factor from Porphyromonas gingivalis."Int J.Oral-Med Sci. 1(2). 97-102 (2003)
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[Publications] Abiko, Y.: "Analysis of functional domains of Streptococcus sobrinus glucosyltransferase."Int J.Oral-Med Sci. 1(2). 152-156 (2003)