2003 Fiscal Year Annual Research Report
光重合型レジン修復物の重合収縮応力緩和効果を有する光照射法に関する研究
Project/Area Number |
13671996
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
吉川 孝子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00182733)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 恒彦 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70282762)
|
Keywords | 重合収縮応力 / コンポジットレジン / Slow-start curing 法 / フロアブルレジン / 辺縁封鎖性 / 窩壁適合性 |
Research Abstract |
光照射法のSlow-start curing法を用いると、光重合型レジンの重合収縮応力を緩和できることが現在までに判明している。そこで、さらにこの効果を向上させるのに有効なレジン材料を選出する目的で以下の研究を行った。 牛歯象牙質窩洞を用いて、フロアブルレジンと従来型レジン修復物の辺縁封鎖性ならびに窩壁適合性を色素浸透試験により評価し、さらに、これらレジンの硬さ、弾性ならびに曲げ強さを調べ機械的性質についても評価検討した。牛歯唇側象牙質面に、直径3mm、深さ1mmの円柱状の窩洞(C-factor=2.3)を形成した。窩洞面をClearfil Mega Bondを用いて処理した後、従来型のハイブリッド型レジンのPhoto clearfil Brigtまたは、フロアブルレジンのFiltek Flowを填塞した。その後、ランプ電圧可変機構を有するハロゲンランプ光照射器を用い出力600mW/cm^2で40秒間光照射を行い重合硬化させた。これら試料に5℃と55℃のサーマルストレスを500回与えた後、色素浸透試験を行った。さらに、これらレジンの厚さ2mmの硬化物の表面と底面の硬さ、弾性、ならびに曲げ強さを測定した。 この結果、フロアブルレジンは、修復物の窩壁適合性ならびに曲げ強さ、窩底部レジンの硬さと弾性を向上させることが判明した。このことから、フロアブルレジンの流動性が高いことにより、重合時にレジンが窩洞内に流れ込み、重合収縮をフローによら補償し、重合収縮応力を緩和することが明かとなった。また、フロアブルレジンは弾性係数が低く、すなわち弾性が高く、硬化したレジン試片の硬さと弾性係数が表面底面で均等であることが判明した。これらのことから、フロアブルレジンを使用し、さらにSlow-start curing法を用いると重合収縮応力を緩和し最良の窩壁適合性を有する光重合型レジン修復が可能となることが示唆された。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] TAKAKO YOSHIKAWA, YASUKO NAKAOKI, TSUNEHIKO TAKADA, MICHAEL BURROW, JUNJI TAGAMI: "The effect of Light curing method and irradiation time on marginal sealing and cavity wall adaptation of resin composite restorations"American Journal of Dentistry. 16・Special Issue. 63A-67A (2003)