2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13671997
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
松本 宏之 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助手 (90282764)
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Keywords | HAART / HIV / AIDS / 歯科医療 / CD4陽性リンパ球数 / 口腔粘膜疾患 / 口腔機能異常 / う蝕・歯周炎 |
Research Abstract |
HAART服用経験のあるHIV感染者・AIDS患者(PHA)は慢性疾患として長期社会生活が可能となり、歯科医療によるADL維持・QOL向上に果たす役割は大きい。PHA数が急増している東京都において利便性に優れた1次歯科医療機関での医療体制が急務である。 そこで、PHA歯科診療を実施している1次歯科医療機関に対して、本研究の趣旨に同意した歯科医院(n=8)において平成16年5月までの期間来院したPHA(n=140)について歯科医療状況の調査を行った。年齢は19〜89歳で、30代をピークとしてPHA人口構成と相関した。男女比は6対1であった。紹介した元は、HAART処方している病院からの紹介が最も多く、次いで東京都歯科医師会の紹介事業からの紹介、PHA支援のNPOからの紹介、PHAからの紹介の順であった。全身状態を把握する指標CD4陽性リンパ球数は、200以下になると日和見感染症を発現し易くなると言われているが、201以上がPHA中60%を占めた、比較的病状が安定した患者層であった。一方、不明が30%いるが、内科医の方より安定しているPHAと紹介され、歯科医側から数値を直接聞かなかったケースと思われた。主訴では、AIDS患者特有の口腔粘膜疾患は認められず、う蝕・歯周炎・歯髄炎・歯周病に起因するもので85%を占め、口腔機能異常にも非感染者と有意な差は認められなかった。処置内容は、抜歯などの観血的処置を含め、非感染者と同様な傾向であった。診療実日数は10日以内(36%)、11日以上(64%)であり、処置が主訴のみにとどまらず、1口腔単位で行われている事を示していた。 今後、PHA数の増加傾向がある上に地方への分散傾向が想像される中PHA歯科医療機関紹介事業展開を各地域で円滑に実施しそれぞれの医療連携を構築するとともに最新のPHA口腔内情報提供をする重要性が示唆された。
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