2002 Fiscal Year Annual Research Report
象牙質に近似した被切削性を持つ支台築造用コンポジットレジンの開発
Project/Area Number |
13672027
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岩崎 直彦 東京医科歯科大学, 歯学部, 教務職員 (20242216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 英和 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (90175430)
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Keywords | 被削性 / コンポジットレジン / フィラー形状 / フィラー含有量 / 被削性試験機 / 繰返し研削 / 機械的性質 / 象牙質 |
Research Abstract |
本研究では,象牙質に近似した被削性を持つコンポジットレジンの開発を行った.ベースレジンにはBis-GMA系レジンを用い,フィラーにはシラン処理した平均粒径0.2μmと4.3μmの球状フィラー,平均粒径6.6μmの不定形ハイブリッドタイプフイラーを用いた.コンポジットレジンは,3種のフィラーで含有量をそれぞれ50,80mass%とした計6種を試作し,フィラー形状とフィラー含有量が被削性に及ぼす影響を調べた.また,試作レジンの各種物性値も検討した. その結果,平均粒径4.3μmの球状フィラーおよび平均粒径6.6μmの不定形フィラーを用いたコンポジットレジンにおいては,球状フィラーを用いたコンポジットレジンの方が不定形フィラーを用いたものに比べ大きな被削性を示した.また,フィラー含有量が大きいほど被削性が大きくなり機械的性質が向上したが,その傾向は不定形フィラーより球状フィラーの方が顕著であった.平均粒径0.2μmの小さな球状フィラーを用いたコンポジットレジンは,大きなフィラーを用いたコンポジットレジンに比べ小さな被削性を示した.フィラー含有量を大きくすると被削性が大きくなったが,機械的性質は向上しなかった. 象牙質の被削性は今回試作したどの試作レジンよりも小さかったが,試作コンポジットレジンの中では平均粒径0.2μmの小さな球状フィラーを50%含有させたコンポジットレジンが最も象牙質に近似していた.しかしこのレジンは機械的強さが小さく,臨床での使用には問題がある.被削性のみが必要とされる象牙質代替の模型材など,用途を限定すれば使用することは可能と思われる. 被削性が象牙質に近似し,支台築造などに応用可能な機械的性質を得るためには,ベースレジンの検討,シランカップリング剤の改良によるフィラーとベースレジンとの接着力の向上,異なる形状のフィラーを混合して使用するなど,更なる検討が必要と考えられる.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 岩崎直彦, ほか: "コンポジットレジンのフィラー形状が被削性に及ぼす影響"歯科材料・器械. 21(特39). 141 (2002)
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[Publications] 岩崎直彦, ほか: "市販支台築造用コンポジットレジンの被削性について"歯科材料・器械. 21(特40). 127 (2002)
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[Publications] 岩崎直彦, ほか: "象牙質に近似した被削性を持つコンポジットレジンの開発"口腔病学会誌. 70(2). 328 (2003)
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[Publications] Iwasaki N, et al.: "The effects of filler shape and filler contents for the machinability of composite resins"Transaction of 4th InternationalCongress on Dental Materials. 46 (2002)
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[Publications] 岩崎直彦 ほか: "Bis-GMA系レジンを用いたコンポジットレジンにおけるk被削性に及ぼすフィラー形状及びフィラー含有量の影響"歯科材料・器械. 22(3). (2003)